望郷の父・・・19 番外編 「父は なんでもお見通し?」 | 魂の選ぶ声を聴く ~言葉にならない想いをつなぐ~

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無意識のストレス反応を意識的に変化させて
気づきと自然治癒力を高め 自分や周りのひとの存在に光をみる人生を楽しんでいます

望郷の父・・・目次



望郷の父・・・19 」あたりの内容について おもいうかべていた頃の私に


まるで 父は 見透かすように


おもむろに 話始めた


(「望郷の父」を書くようになって、そんなことが ときどきある


父は、そして 母は 私が書いていることを知っているんじゃないかとおもえるような


「その頃」のことにふれることがある)



「『招かれざる客』いう映画を観たんよ


前にも 観たことがあるんじゃけどね・・・」



父は 古い映画が大好きである


何回も 同じ映画を繰り返して観る



「その話は 黒人と白人の男女が結婚したいとね、


両方の親に 結婚の許しをもらいに行くんよ


でもね、今より人種差別の激しい時代・・・両家の父親は 反対するんよ


しかも、数時間で 結婚をどうするか決めんといけんでね・・・」



・・・父は 何が言いたいんだろう



私は 以前よりは 静かに父の話を聴けるようになっている自分が、うれしい





「子どもが結婚すること、ましてや 将来うまくいかないとおもえるような結婚を


数時間で決めるなんて、あのおとうさんは 苦しかったろうとおもうよ」



・・・・・・・





「おとうさんはね、あかるいこが だんなちゃんをつれてきたとき


結婚したいって話になるまで 考える時間があった


でも、この人は 数時間じゃけえ



あのときのことをおもいだしながら・・・(このおとうさんのことと 自分を重ねた)」



・・・おとうさん、悩んだっけ?


そうだったっけ??




私には まだ経験したことがないことだよね



おとうさんは そんな悩みを経験したんだね




「結婚することを決めるのは (結婚する)ふたりだけじゃないんよ


(親も それだけ考えたんよ)

そのときは 盛り上がって『結婚する』ってなっても


その気持ちは 長く続くものじゃない


あとになって(結婚生活がうまくいかないとき) 結婚したいとおもった気持ちをおもいだしてみい」




・・・あれ、そこにつながるか


それが 言いたかったのか




「それでも (夫婦の)ふたりのことじゃけぇ、口出しは できん」





耳に心地よくない父のことば



父にそむくことが のぞみではない


父に従うことが のぞみでもない




だが 父が何を語っても、私が どう受け取っても


父が 娘たちのしあわせをのぞんでいる





それはあるのだと



おもえる