てんし「ん♪」らんまん♪♪

てんし「ん♪」らんまん♪♪

日々のほほんと、日々あたたかく、日々のんびりと・・・

 

夜の空には、

まだ誰にも知られていない星があります。

 

名前もなく、

星座にもならず、

静かに生まれたばかりの小さな光。

 

けれど、

星読みの姫君・ステラリアは知っていました。

 

どんな星にも、

生まれてきた理由があることを。

 

北の空に浮かぶ古い天文台。

そこには、

星図でいっぱいの本棚と、

ゆっくり回る天球儀、

小さなランタン、

そして黒猫のネロが暮らしています。

ネロは毎晩、

窓辺に座って夜空を眺めるのが大好きでした。

 

ある夜。

ひとつの小さな星が、

空のすみで震えていました。

その光はあまりにも小さく、

誰にも気づかれそうにありません。

 

ステラリアはそっと窓を開けました。

 

夜風が、

星の香りを運んできます。

 

すると、

小さな声が聞こえました。

 

 

「わたし……

まだ誰も照らせません。」

 

その星は、

少し寂しそうでした。

 

「ほかの星は、

あんなにきれいなのに。」

「わたしは、

こんなに小さいから。」

 

ステラリアは、

しばらく星を見つめていました。

やがて、

優しく微笑みます。

 

「わたしはね。」

「小さな灯りほど、

近くにいる人を、

あたためているように思うのです。」

 

ネロは、

その話を聞きながら、

窓辺で短いポンポンしっぽを、

ふわりと揺らしました。

 

まるで、

「そうだよ。」

と言っているようでした。

 

そのとき、

町を歩いていた一人の女の子が、

ふと空を見上げました。

 

 

「きれい……。」

 

 

女の子が見つけたのは、

たった今まで

自信をなくしていた、

あの小さな星でした。

 

その星は、

誰よりも大きく輝いたわけではありません。

 

けれど、

 

その夜、

 

たしかに一人の心を照らしました。

 

ステラリアは星図を開き、

新しい印をひとつ描きます。

 

その星には、

まだ名前をつけませんでした。

 

名前は、

誰かの心を照らしたあとで、

自然に生まれてくるものだからです。

 

ネロは丸くなって眠り始めます。

 

ランタンの灯が、

静かに揺れました。

 

天文台には、

今日も優しい夜が流れています。

 

ステラリアは、

夜空へ向かって小さくつぶやきました。

「大丈夫。

まだ名前がなくても、

あなたはちゃんと光っています。」

 

その夜、

北の空に、

少しだけ優しい光が増えたといいます。

 

でも、

その星の名前を知る人は、

まだ誰もいません。

🌙 今日の小さな灯🌙

 

**あなたは、まだ気づいていないだけ。

今日もきっと、

誰かの夜を、

そっと照らしています。**

 

また次の夜に。