定年退職後の健康保険の選択肢としては、8月11日のブログに記載しましたように、主に次の3つが考えられます。・現役時代に加入していた健康保険の、任意継続被保険者(3月27日のブログを参照)になる・家族が加入する健康保険の、被扶養者(2月4日のブログを参照)になる・国民健康保険の被保険者になるただいずれを選択したとしても平成20年4月からは、原則75歳になるとこれらを脱退して、後期高齢者医療に加入する事になります。また一定程度の障害状態にある、65歳以上75歳未満の「前期高齢者」についても、申請して「広域連合」の認定を受けた場合には、後期高齢者医療に加入する事になります。注:広域連合とは後期高齢者医療の「保険者」になりますが、保険者とは保険事業の経営主体として、被保険者の記録の管理、保険料の徴収、保険給付を行う機関を示します。後期高齢者医療の保険給付に必要となる費用の負担は、税金が50%、健康保険や国民健康保険などの被保険者が拠出する支援金が40%、後期高齢者医療の被保険者から徴収される保険料が、10%になっております。そのため健康保険や国民健康保険などの被保険者から、健康保険や介護保険に関する保険料とは別に、支援金が徴収されるようになりました。またそれと同時に前期高齢者の少ない、健康保険や国民健康保険などの保険者が、前期高齢者の多い保険者に納付金を支払って、財政調整を行うという、「前期高齢者の医療費に関する調整制度」が始まりました。注:健康保険の保険者は、全国健康保険協会か健康保険組合になり、また国民健康保険の保険者は、市区町村か国民健康保険組合(5月21日のブログを参照)になります。なお後期高齢者医療に関する支援金は、被保険者の数に応じて、各保険者の負担割合が決まりますが、こういった仕組みを「加入者割」と言います。注:各被保険者が負担する金額は、この金額を分割して決定されますので、保険者ごとに金額が変わります。つまり被保険者の数が多い保険者ほど、支援金の負担が大きくなりますが、平成22年度からは支援金の3分の1については、「総報酬割」に変更されました。総報酬割とは標準報酬月額(10月3日のブログを参照)や、標準賞与額(2月10日のブログを参照)の総額、要するに月給や賞与の総額によって、支援金の負担割合を決める仕組みになります。つまり月給や賞与の総額が高い被保険者が多い保険者ほど、支援金の負担が大きくなります。なおそれと同時に前期高齢者の医療費に関する調整についても、3分の1については前期高齢者の人数ではなく、総報酬割で調整する事になりました。つまり月給や賞与の総額が高い被保険者が多い保険者が、それらが少ない保険者に、納付金を支払う事になります。ところで厚生労働省は平成26年10月6日、社会保障審議会の医療保険部会で、後期高齢者医療の支援金に関する負担割合の決定方法と、前期高齢者の医療費に関する調整方法について、すべてを総報酬割にするという改正案を示しました。ただ前期高齢者の医療費に関する調整方法については、完全な総報酬割にするのではなく、各保険者間の前期高齢者の偏在を調整するため、前期高齢者の比率を考慮した、総報酬割にするようです。厚生労働省は平成29年度をめどに法改正を目指しておりますが、月給や賞与の総額が高い被保険者は、中小企業の従業員が加入する協会けんぽより、大企業の従業員が加入する組合健保に多く存在しております。注:協会けんぽと組合健保の違いについては、3月28日のブログを参照して下さい。ですから健康保険組合の反発は避けられないと共に、これを期に健康保険組合を解散して、組合健保から協会けんぽに移る企業が、一気に増えるかもしれません。関連記事:健康保険組合とは全国健康保険協会とは後期高齢者医療の高額療養費に関して13億円超の過大支出が発覚「毎日新聞」で財政難の組合健保の特集入社する前に組合健保か協会けんぽかを見分ける方法とは?
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