バスタルダ | カリグラフィー独習ノート
2009-08-11 23:13:40

バスタルダ

テーマ:書体バスタルダ体
イギリスではbastard(バスタード)、hybrid(ハイブリッド)、フランスではbâtarde(バタルド)と呼ばれる書体で、ゴシック体と草書体をミックスした書体です。ゴシック体は重々しい書体なので、格式張った文章でないものに用いるためには、日常用の書体が広く使われ、ブロードエッジの羽根ペンで遠く書ける草書的で機能的なバスタルタ体となりました。13世紀ころから16世紀にかけて使われましたが、イギリスでは、セクレタリーハンドとしてさらに18世紀ころまで使われました。
バスタルダ体には傾斜があるものやないものがありますが、長く伸びたアセンターとディセンターが特徴で、文字どうしがつながっています。全般的には、曲がった形で書き出しの部分が尖っています。とくに、最初の行や最後の行は、思い切った長さで飾り付けられていて、セリフやヘアラインも速く書かれるので正確ではありませんが、華やかな形に見えます。
バスタルタ体は、草書体として日常の書類に使われていましたが、次第に時禱書などの写本にも使われるようになりました。地域もフランス、ドイツ、イギリスなど各地で、時代、用途などによって多くのバリエーンョンを持っていました。いろいろな名称がつけられていましたが、実際には分類しきれないほどさまざまな分野で自由に使われていたようです。特にイギリスで使われていたものをアングリカーナといいます。
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