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「充電する」休息か?
「脳を変え、疲れづらくする」
休息か?
「瞑想」と聞くと、
日本のみなさんはちょっと怪しげな
イメージを持たれるかもしれません。
「そんな面倒なことをしなくても、
何も考えずにぼーっとすれば、
脳は休まるんじゃないの?」
と考える人もいることでしょう。
しかし残念ながら、
どれだけ無為な時間を過ごしても、
それだけではあなたの頭は
休まりません。
むしろ、どんどんエネルギーを
消耗し続ける可能性すらあります。
しばしば言われることですが、
脳は体重の2%ほどの
大きさにもかかわらず、
身体が消費する全エネルギーの
20%を使う「大食漢」です■01。
さらに、
この脳の消費エネルギーの大半は、
デフォルト・モード・ネットワーク
(DMN)という脳回路に使われています。
DMNとは、内側前頭前野、
後帯状皮質、楔前部 、下頭頂小葉など
から構成される
脳内ネットワークで、
脳が意識的な活動をしていないとき に
働くベースライン活動です。
自動車のアイドリングを
イメージしてもらうと
わかりやすいでしょうか。
(中略)
このDMNは、
脳の消費エネルギーのなんと
60 〜 80%を占めている と
言われています。
つまり、ぼーっとしていても、
このDMNが過剰に働き続ける限り、
脳はどんどん疲れていくわけです。
(中略)
つまり、
DMNの活動を抑える
脳構造をつくって いかないと、
あなたには真の休息は
訪れないというわけです。
実際のところ、疲労感とは
脳の現象にほかなりません。
物理的な疲労以上に、
まずは脳の疲労が「疲れた」
という感じ を
あなたの中にもたらしています。
(中略)
マインドフルネスという言葉を
聞いたことはあるでしょうか?
(中略)
あえてこれをひと言で説明すれば、
マインドフルネスとは
「瞑想などを通じた脳の休息法の総称」です。
(中略)
アカデミズム領域でも、
マインドフルネスの脳科学的な
裏付けは進んでいます。
本書でも何度も登場する
ジャドソン・ブリューアー
(現・マサチューセッツ大学准教授)も、
イェール大学医学部の
精神神経学科にいた同門の研究者ですが、
彼は
「DMN(脳のエネルギーの浪費家)の
主要部位の活動は、
瞑想によって抑制できる」
と報告しています。
つまり、瞑想こそが
「科学的に正しい脳の休ませ方」
だと言えるエビデンスが、
次々に集まりはじめているのです。
(中略)
本書が目指す休息は、
ただの「充電」ではありません。
なぜなら、脳は変わる からです
(これを脳の可塑性 と言います)。
マインドフルネスを継続すれば、
疲れづらい脳 が手に入るわけです。
空になったバッテリーを
充電することは、
本当の休息ではありません。
あなた自身の脳を変えて、
高度な集中力を手に入れることが、
「最高の休息法」の真の目的です。
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「疲労の悪循環」から
「疲労回復の好循環」へ
スポーツの世界では、
「運動」、「栄養」、「休養」
という3つの要素が重視されます。
この3つの要素が
うまく噛み合って初めて、
心・技・体が整い、
高いパフォーマンスを
発揮できるのですが、
運動(トレーニング)には
熱心に取り組むアスリートでも、
栄養(ニュートリション)と
休養(レスト)をおろそかにする
タイプは少なくありません。
(中略)
多忙なビジネスパーソンは、
仕事を何よりも優先させてしまい、
栄養補給や休養が後回しになりがち。
けれど、それでは体調が悪くなり、
効率や集中力が下がって
仕事のパフォーマンスが
落ちる場合があります。
たとえ短時間睡眠で
仕事に割く時間を増やしたとしても、
効率が下がって集中力も働かないので、
労働時間が長くなるだけ。
思ったように仕事が進まないのです。
その結果、さらに睡眠時間を
削ることになり、
よりパフォーマンスが下がるという
「疲労の悪循環」に陥ります。
仕事のパフォーマンスを
上げたいなら、
トップアスリートに学び、
疲労回復を優先させるべき。
すると能率が上がり、短時間で
仕事が済ませられるようになり、
栄養補給や疲労回復に当てる時間が
長くなるという好循環に入ります。
・・・・・・
アスリートに
太って疲れている人はいませんが、
ビジネスパーソンには
肥満に悩む人も大勢いるようです。
ことに30〜50代の
働き盛り世代の男性では、
3人に1人が肥満だと言われています。
太っているとカラダが重たく、
運動不足で筋力が落ちていると、
少し動いただけでも息が上がって
苦しくなり、疲労を感じます。
疲れるのがイヤでアクティブな
活動量が減ると消費エネルギーが
落ちて太りやすくなり、
筋力がさらに衰えて疲労を
一層感じやすくなり、
またまた「疲労の悪循環」に陥ります。
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「体」を自由にさせて
もらえることの重要性
子どもを「頭」「体」「心」の
三つの部分に分けるとすると、
どの部分から優先的に
育てたいと思うだろうか。
「頭のいい子になってほしい」
「体の丈夫な子になってほしい」
「心の優しい子になってほしい」
••••••それぞれ大切なことだ。
優劣つけがたいかもしれない。
もちろん、人それぞれ、
いろいろな価値観があって構わない。
しかし順番を間違えてはいけない。
まず何よりも最優先で
育てなければいけないのは「体」だ。
(中略)
体を自由にさせてもらっていると、
心も自由に動く。
そして心が自由だと、
体もまた自由に動く。
すると相手の感じていることも
敏感に感じとれるようになる。
それと同時に、
「自由に遊ばせてもらったんだから、
それ以上はお母さんを
困らせてはいけないな」
という思いやりの心を
発達させることにもつながるのである。
(中略)
教育学者の汐見稔幸は
次のように述べている。
(中略)
自分が体験したことから、
これは嬉しかった、これは嫌だった、
などということを、教訓的な
物語にするという形で蓄えたもの、
あるいはそれらがたくさん集まって
もう少し大きな物語になったもの、
それが「心」だというのである。
心はさまざまな体験の結果として、
あとから生じてくるものなのだ。
(中略)
「心」は体験の結果
生じるものだと考えれば、
「心」を育てるためには、
じつはさまざまな体験を
豊かに感じとることができる
「体」を育むことが大切だと
いうことが分かるだろう。
(中略)
毎日の生活の中で
自然に体の感覚に耳を傾ける練習を
してみるのである。
(中略)
こういう経験を積むと、
少しずつ豊かな感性をもった、
しなやかな体が
作られてくるのである。
そうすると、体の成長に伴って、
いろいろなものを感じられる
豊かな心が育まれる。
するとさらに、
何にでも好奇心をもって
取り組みたくなり、
やる気旺盛の行動が湧き出てくる。
好奇心や行動力が旺盛になると、
いやがうえにも
「何でだろう?」
「どうしたらいいだろう?」と
自分で考える習慣がつく。
すると自然に頭も発達する。
(中略)
このように考えてくると、
「体」を豊かに育むことによって、
結果として豊かで
しなやかな「心」が育つ。
そしてしなやかな感性をもった
「心」から、「頭」が発達する
という順番になるだろう。
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「心の基準点」を
高くしておく
「心は一瞬で変わる」というのは、
「どれほど荒れ狂った心も
一瞬で落ち着かせることができる」
という希望であると同時に、
「静かな心をずっと
維持することは難しい」という、
困った現実も意味しています。
どれほど心を
静かに落ち着けたとしても、
人間社会の現実には、
きれいなこともあれば、
汚いこともあります。
美しい光景もあれば、
理不尽で
澱 んだ現実もある。
そんな現世で生きるかぎり、
僕らの心はそう簡単に
「絶え間なく平静で居続ける」
わけにはいきません。
だからこそ、一日の始めに
「心の基準点」を上げ、
わずかな感情の揺れも察知
できるように「センサー」を
磨いておくことが大切なのです。
揺れ動いた心をできるだけ
すみやかに落ち着かせて、
一瞬でもいいから
静かな心を取り戻す。
それが、長い目で見たときには
平静の心を取り戻す、
一番の近道だということです。
(中略)
日頃からこまめに
片付けをしている人は、
ちょっとした汚れや
ゴミに気づくことができるし、
気づくからこそ、
片付けや掃除をしようという
モチベーションが湧いてきます。
また、片付けるにしても
掃除するにしても、
それほど大仕事にはなりません。
だからあまり
億劫 にならずに取り掛かれるという
いい循環が生まれます。
多くの人は
「感情的な自分」を「自分自身」だと
思い込んでいますが、
それは「ゴミが散らかった部屋」を
「普通」だと思い込んでいる
汚部屋の住人と
同じ心理に陥っています。
その状態では、なかなか自分が
感情的になっている、ということに
気づくことができないでしょう。
「怒っていること」が当たり前の
状態で何年も、何十年も
過ごして来た人は、
自分が怒っているということに
気づくことができなくなるのです。
これが、「心の基準点」を明るく、
静かな状態に保っておいたほうが
いい理由です。
(中略)
明るく、爽やかで、深い呼吸をして
心が落ち着いた状態にある自分を
「基準」にしておく。
そうすれば日常の中で、
小さな怒り、小さなイライラ、
小さな不安が生じたときに
すぐに気づくことができるし、
小さい段階で見つけることによって、
容易に払えるようになるのです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
日常のなかには、
ただ一回だけ進む、あるいは戻るという
出来事だけでなく、
ある出来事が、
また別のある出来事へと
繋がりやすく、
その別の出来事が、
そのまた別の
繋がりやすい出来事へと繋がる。
そして、その出来事が
どんどんと繋がっていき、
最初に起こった出来事を
より起こしやすい状態になる
「流れ」が存在していることに
気づく。
こういった「流れ」は、
私たちの日常の
いたるところに発見できて、
また同時に、
「良い流れ」と「悪い流れ」が
セットで存在していることが
多いことにも気づく。
もしも今、あなたが
「悪い流れ」に陥っていることに
気がついたのなら、
その流れから抜け出られるように
注意をはらおう。
もしも今、あなたが
「良い流れ」に入っていることに
気がついたのなら、
そこからズレてしまう瞬間を
とらえられるように
注意をはらおう。
・・・
2016年がもうすぐ終わります。
今年はどんな「流れ」のなかで
過ごしてきましたか?
2017年、
来年はどんな「流れ」のなかで
過ごしていきたいですか?







