フランスの思想家達
パスカル、モンテーニュ、ヴォルテール、ディドロ、ルソー
カント、コクトー、バルト、フーコー、ベンヤミン、デリダ
名だたる哲学者達がそろう編み出す、知性の輪
フランス的精神とは、人間と社会の関わりにおける知だろうか
ポストモダンの思想家として有名なボードリヤールもまた、その一人である。
「消費社会の神話と構造」
今や社会学の入門書ともなる。
しかし内容は極めて難解
誤った認識の氾濫も免れない。
彼の文章と日本語との相性があまり良くないのか、翻訳に問題があるのか
いずれにせよ、和訳で見る限りの彼の文章力には疑問点が多い
何故、そのように同じ地点を何度も巡回しなければならないのか
主張を明確にせんとしている意図が、見受けられない
だが、そういった文章上の問題点はとりあえず置いておくとして
彼の意義申し立ては確かに重要である
我々が現在生きている社会への激しい懐疑
資本主義社会の矛盾点を鋭く見抜く
私達が向かって行く先の絶望についてを指摘
「死ぬ他ないのだ」
問題の無い社会など、どの時代(siecle)をとってみても存在しない
利益を得る階層、排除される階層、その中間地点
ヴァリエーションを持って、様相が変化するのみ
反乱はいつも、その排除階層に起因して革命となる
現代社会においてはその歴史を適応することさえ不可能なのだ
極めて複雑化した巧妙なシステム
消費社会
しかし彼は見捨てているわけではない
とにかくこの複雑化されたシステムを、こちらはより高度な手段でもって分析解明することが先決である
と主張するのだから
現存システムに対立するためにはそれは魅力的な手段だ
ポストモダンに見られるディコンストラクトの概念が有効である
しかし結局その手法すら、対抗律の逆転移に犯されてしまうのだとしたら
どうだろうか