「How to do things with words」J.L.オースティン

邦題:言語と行為


今日では英国日常言語学派に分類されるオースティンの哲学

文学批評史上では、ソシュールの言語構造主義、ヤコブソン、レヴィストロースのナラトロジー(物語学)の流れを受けて反=構造主義としてミハイルバフチンと並んで取り上げられる。

ウィトゲンシュタインと同世代の言語学者だ。

本文は厳格なまでの言語分析と理論展開に徹底しており、やや味気無いが、読み返すごとに奥深さが増す。


私達は何事かを言うことによって同時に何事かを行っている。

言語は全て行為遂行的である。

言語理解に抜けのあった哲学理論に新たな補強を施しただけでなく、まだここに今からの可能性が見えるのは、気のせいでは無いだろう。

他の多くの高名な(或いはそうでない)学術書と同様に。