おとなのEテレタイムマシン (NHK Eテレ) (2024年4月6日放映)
Brahms: Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 d-moll, op. 15
Pf. Maurizio Pollini
Cond. Wolfgang Sawallisch
NHK交響楽団
(1978. 4. 14. 東京. 渋谷. NHKホール, NHK交響楽団 第748回定期公演)
ポリーニのクリアで強靭なタッチが強烈。
第1楽章や第3楽章でソリストに対しオケが遅れることが多く、ポリーニがオケのほうを見ながらストレスを感じているような表情を見せる場面も。
サヴァリッシュの指揮棒での指示力が強い (それゆえ、指揮がソリストに遅れをとればオケもしっかり遅れる)。ただ、オケが大きいと思って左手を震わせて「大きくなるな、小さく」という指示を (協奏曲ということもあるのだろう) 沢山しているが、それに反応してオケの音が小さくなることはない。出てしまった音はもう極端には変えられないか。
現代とは違う、格式を重んじ、表情が緩むようなことなど許されないようなオーケストラのステージマナーも、今となっては懐かしい。
重厚というか鈍重というかは聴く人によって感じ方が変わるだろうが、そうは簡単に動かない演奏スタイルも、今では逆になかなか聴けないもの。
この番組の最後に、最新のソヒエフ指揮N響の番組が宣伝が流れたが、45年の開きがあるとはいえ、あまりに違った色気ある音色に驚いた。