読書日記12 「かわいそうだね?」綿矢りさ


綿矢りさの作品は全て読みましたが、

三作目の「夢を与える」が、私にとってのベスト作です。
芥川賞を受賞しただけあり、純粋な文学。
 
どの作品にも、何かしらの示唆が含まれているのですが、

今回の短編(「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」)については、

人が人に対して「興味、関心」がない、という意味を考えさせられました。


133ページより

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樹理恵さん、私はね、あなたに興味がないのよ」

アキヨの声は初めて三十になった女の人相応に、低く、
ものやわらかな響きを帯びていた。

「分かってる。だから許せなかった。
自分の目的を遂げるためだけに必死になって、
私が苦しんであがいているのを無視している。」

「無視してるわけじゃなくて、本当にただ、興味を持てないの。
そんな余裕がないの。ねぇ、どうやったら明日も生きられるかを

真剣に考えなくちゃいけない状況に陥ったことってあなたはある?」

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実は、「無関心」というのは最大の武器である。

好き嫌いは逆転することがあるけど、
好きな人が急に嫌いになったり、嫌いだった人が逆に好きになったり。
しかし、「無関心」は「好き嫌い」という次元まで達していない。
感情が動いていないのである。
だから、人を振るときには、「ごめんなさい。あなたには関心がないの。」
という一撃で、その人はもうあなたには、近づかないはず。