amour en cage
おとといのこと。
5限が終わって地元の駅から自転車で帰る道々、
夜空の中、オレンジ色の粒が見えそうなくらい甘い香りが香ってきました。
思わず、「金木犀だあ!」と、声が出る。
驚くくらい、すっかりと秋です。
夏休みは、思う存分ひとりを満喫して、
もしかしたら、私はこのままずうっとひとりなのではないか…と、うすうす思っていたりします。
恋愛って、苦手分野だな、と。
男の人と恋愛するって、うまくいかないな、と。
それはきっと、半分くらいは私自身に原因があるかと思われる。
最近明らかになってきた自分の理想。
それは、だいたいは放し飼いだけど、
時々「オナカスイター!」と、駆け寄っていくと、
もれなく、おいしいエサ+よしよしをしてくれるような人との(私だけが)自由気ままな関係。
もう、恋愛でさえないと思うんだけど、そういうのがいいのだ。
自分でも呆れてしまいそうなくらい、
私は自由気ままに行動している模様。
(既に、家族には呆れられている。)
自分ではそうとは思わないんだけど、
心の赴くままに、フラフラとしているらしい。
しっかりしないといけない時以外は。
***
春から、「いいな」と思う人が何人かいたんだけど、好みのタイプの高齢化が進んでいます。
学校の先生、ピアノの調律師さん、第九の代理の先生、盆踊り会場で毎年見かけるおじさま。
あの、電車の苔ひげの人以外、この4人には共通点がたくさんあります。
1. 50~60歳
2. ユーモアがある
3. 低い、いい声
4. 音楽に関係している(いた)
5. 品がある
6. 既婚者
ああ、「6. 既婚者」というのが、大変残念です。
既婚者、どころか、たぶん子どもさんと私が同年代。
この淡い気持ちは、実りそうもなく、ただ眺めるだけで終わりそう。
特に、学校の先生はね、本当に好みのタイプなんです。
ロマンスグレーで、あんまり喋らないのにちょっとだけ喋ることがおもしろくて、
いい声で。
男女を問わず、一部に大人気。
この先生の授業のときは、みんな魔法にかかったように眠りに落ちていました。
絶妙な間と、ソフトな話し方。
やわらかい雰囲気。
いいなー。
ほんとに好きなんだけどなー。
こんな調子で、また恋ができたりするのか、そもそも恋ってなんだったのか。
私を残して、秋は深まります。
ひとり旅から、ただいま
今朝方、大阪に帰ってきました。
台風でややこしい中、日曜の夜から群馬、そして栃木へ、ぶらりひとり旅に行っていたのです。
19日に富岡製糸場であった、真綾さんのコンサート(世界遺産劇場)のために。
往復夜行バスという強行軍で、群馬の高崎に1泊。
まるで、「鶴瓶の家族に乾杯」のように、たくさんの人と出会えた旅でした。
群馬・栃木の方々は、みんな気さくで驚くほど親切。
そして、話好きのようで、いろんな話をしてくださいました。
でも、ベッタリした感じじゃなくて、標準語っぽいし、大阪とは人との距離感が違うんでしょう。
群馬の名産を教えていただきました。
群馬は車がないと、想像以上に移動が難しかったので、
1時間に1本のこのシャトルバス、大活躍でした。
富岡のお土産もの屋さんの奥さんは、コーヒーをご馳走してくれて、
ライブの間、大きな荷物を預かってくださいました。
ライブは、途中で暴風雨に見舞われカッパを着ていてもずぶ濡れになったので、
荷物を預かっていただいて、本当に助かりました!
ここで知り合ったお菓子屋さん(磯部せんべい)のおかみさんは、
(たぶん)招待券で、真綾さんのコンサートに。
「あら?私の方が、前の席だわ・・・」と、旦那さんと仲良く並んで会場いらっしゃいました。
ちなみに、その暴風雨で帰ってしまわれたのは、
このおかみさん曰く、
「市長とえらそうな人たちの4人だけよ」とのこと。
この一言には笑いました。
夜の高崎で知り合った同世代の人たちとは、
一緒にお酒を飲んで、2時間くらい語らいました。
普段なら、ひとりで飲み屋にいくことが絶対にないのに、
目指せ、吉田類(ご存知でしょうか・・・?)かもしれません。
夜明け前の高崎駅に着いて、
真っ暗だしお店もほとんど閉まってるし、大丈夫かなぁ・・・と不安だった心は、
群馬の人たちにすっかり温めてもらって、安心して眠りにつけたのでした。
***
2日目は、朝からあいにくの雨。
「暮らしの手帖」の「二人の徒歩旅行」に倣って、
桐生を散策しようと思っていたのですが…何の考えもなく急遽、予定変更。
海外からの団体さんにふらふらと着いて行った先は、わたらせ渓谷鉄道でした。
とりあえずフリーパスの切符だけ買って、あとは気の向くまま・風の向くまま。
足尾銅山で、ホラーまがいのアトラクション(と呼んでいいものか…)にひとりでチャレンジしたり、
山の中の貴船神社まで迷いながら行ってみたり、
貸切になった露天風呂で炭坑節を歌ってみたり。
気分は、裸の大将。
……もちろん、「野に咲く花のように」を歌いながら歩いていた変な女は私です。
そして、この日も、地元の方々にお世話になりました。
列車で隣に座っていた男性は、埼玉から来たらしく、
終点の間藤駅まで行ってから、バスで日光に抜けるそう。
予習をなんにもしていなかった私には、目から鱗!なルートでした。
足尾銅山観光のお土産もの屋さんでは、
カクシャクとしたお店のおばあさんが、売り物なのにいろいろとくださって、
ひとしきりお話をうかがいました。
そして、サプライズ!も。
水沼から桐生へ帰る列車は、乗客が私ひとりだったのです。
せっかくなので、先頭に立って景色を見ましょう…と、前へ行ったら、
運転手さんが「おもしろいことしましょうか?」と…。
なんと、車内の電気消灯!
まっくらやみです!
これには、興奮しました。驚いて、かなり大きな声も出ました。
うれしい貴重なサプライズ、ありがとうございました。
この運転手さんは、数年前まで出稼ぎで阪急電車を運転していたらしく、
しかも、京都本面だったとのことで、「大山崎!つい最近行きました!」と、話も弾みました。
旅行最後のご飯は、桐生のひもかわです。
もっちりとしておいしい、うどんのような郷土料理。
…よりも、後ろで喋っているおばさんっぽい声(たぶん…女性だと思われる)の話がおもしろすぎて、
笑いをこらえるのに必死でした。
「結局、レンアイってねー、アゲサゲなのよおー」
「オトコとオンナって、引っ張りっこよおー。綱引きみたいなもんよおー」
いいことだけじゃなくて、
実を言うと1番キョーレツだったのは、
スニーカーが毛虫まみれになったことだったり、
列車に関する怪談だったりするんだけど、
それもひっくるめて、ほんとうによい旅でした。
ここには、全部書ききれないけど、
ほんとうにたくさんの人と話して、よく笑った旅でした。
ありがとう、群馬・栃木。
出会えたみなさん、ほんとにありがとう。
感謝の気持ちを胸に、家路へのバスは夢も見ず、ぐっすりと眠りました。
ひとり旅、癖になりそうです。
***
写真もたくさん撮りました。
フリーの写真共有サイト「フォト蔵」にアップしたので、お時間のあるときにでものぞいてみてください。
コメントも、少しずつ書いていっています。
ひとり旅 1日目~群馬編
http://photozou.jp/photo/list/2040934/5186100
ひとり旅 2日目~栃木編
http://photozou.jp/photo/list/2040934/5184887
小旅行
1年と1ヶ月ぶりに、manacoちゃんとデート。
そんなに久しぶりとは思えないけれど、
お互い髪の長さで歳月を感じました。
私はベリーショートに、manacoちゃんはベリーロングに。
夏前から計画していて、京都の大山崎へ小旅行です。
1番の目的は、大山崎山荘美術館。→official site
25日までの「かんさいいすなう」。
電車に揺られて、
自然に包まれに行きます。
出会ってもう9年になるね、でも変わらへんね。
ずっとお手紙のやり取りをしているので、
会っていない時間も、お互い空白ではなく、濃密な感じ。
manacoちゃんは、ゆったりとした優しい話し方なので、
私も自然に、なんだかのんびりした喋り方。
いつも思うんだけど、彼女と一緒にいると、
私の中に散らばっている女の子らしさたちが、ぎゅーっと集合してくるみたい。
山崎駅で降りて、
地元だったらきっと入らない(というより、入れない)ようなお店にも入ってみます。
そこは、小さな出窓の可愛らしいインポートベビー服や雑貨のお店。→official site
中は輸入住宅らしくて、こぢんまりとした女の子のお部屋風。
吟味に吟味を重ねて、ティーローズのサシェを購入しました。
雑貨好きならみんな憧れるような、好きなものを集めた小さなお店でした。
小旅行気分は無敵です。
お店の人とも気軽にことばを交わして、
普段はしないような食べログ検索までして、おいしいお店にも貪欲になります。
「かんさいいすなう」 →official site
美術館ではいっぱいいすに座ったし、オルゴールの演奏もゆっくり聴けました。
私のお気に入りは、新館にあった八十原さんの「ヤヤコロ」(木製の方)。
本当に、この大山崎山荘は素敵。
特に、もう長いこと使われていないだろう浴室が好きです。
ひからびた感じのタイルとか、少し大きめの浴槽とか。
ミニチュアにして、引き出しにしまっておきたい雰囲気です。
帰り道では、骨董屋さんのおじさんと喋って、
小旅行気分をいよいよ満喫しました。
西宮美術館のある香枦園といい、この大山崎といい、
ほんとうに、いつか住みたいくらいいい所です。
ゆったりできる美術館があって、自然に囲まれていて、かわいいお店もおいしいお店もあって・・・。
お金持ちでないとですが。
でも、ほんと住みたいなー。
朝早くに集合したので、6時に別れるまで、
ほんとうにずいぶんのんびりできました。
1年と1か月分話して、お互いやっぱり似ていることに笑って、
とても幸せな時間でした。
私は、
自分が結婚して誰かと生活している風景より、
manacoちゃんが恋人と結婚して、その新居に遊びに行く景色の方がすんなり想像できる。
きっと、大きいめのテレビの前に3人並んで、
地味な映画でも見てるんだろうな。
もう、明日起こる現実みたいに、ありありと想像できてしまう。
フシギだなぁ。
この縁は、きっとどこまでも続いていくのでしょう。
今年中の再会をゆるく約束して、家路に着いたのでした。