かたむけるふだん 大声で叫ばない雪が 泣きわめくことがある ひどくわめいて やまないことがある くやしいくやしいと 泣いている 泣きわめくのに 声にはならない カーテンをしめれば その声、私にもきこえない 部屋の天井のすみっこが 夜中にぴしりと きしむだけ そのせつなさに 耐えかねて わたしの心のすみも せめて ぴしりと鳴ってほしい 大声で怒鳴らないひとたちの ことばが 結晶する夜です