こんにちは
田中リサです。
今日は芥川賞チャレンジ第十六弾、
伊藤たかみ 八月の路上に捨てる
について感想を書いていきたいと思います。
では、ネタバレあらすじからいきます。
主人公は自動販売機の中身の補給をするドライバーの佐藤敦。
同僚の水城にだけ離婚することを打ち明けている。
水城が総務に移るので、ドライバー最後の日、2人で敦の離婚の顛末を話す。
その後、敦は懇意にしている取引先で水城の再婚話をこっそりと聞き、離婚届の証人になってくれと頼む。
そうして水城は帰っていき、敦が小石を蹴ろうとして、街路樹の根元を掘っている時に営業所の二階の社員に遊んでるんじゃねぇと大声をあげられ、心の中で「俺は一時たりとも遊んでなんかいなかったぞ。何もかも本気だったのだ。」と心の中で毒づいて物語は終わる。
敦の「そうだよなあ。好きなところと嫌いなところを数えて、嫌いが上回っちゃうようになったら、それ以上は駄目だよなあ」というセリフが心に響きました。
それ以外にも名言が多かったです。
登場キャラクターがリアルで骨組みしっかりしていて、もっとキャラクターを深掘りしたくなりました。
読み終わった後は全てのキャラクターに幸あれと思ってしまいました。
しかし伝えたかった本質はなんだろうと思ってしまいました。そこが欠けていたから、芥川賞でも肯定も否定もない評が多かったのかなと思いました。