こんにちは、田中リサですニコニコ

今回は芥川賞チャレンジ、第十五弾

絲山秋子 沖で待つ


の感想を書いていきたいと思います。



ではネタバレあらすじからどうぞ。


主人公は住宅設備メーカーに勤める女性、及川。

東京の大学を出て、同僚の牧原太と共に福岡の営業所に配属された。

太は太っちゃんと呼ばれ、名は体を表すように太っていて愛嬌があったため、現場で愛されていたし、主人公となんの気なく会話することができた。

数年経って、お互いに関東に配属された2人は再会した時に、死んだらお互いのハードディスクを壊す約束をする。

その矢先に7階から飛び降りた自殺者に巻き込まれて、太っちゃんは死んでしまう。

そして主人公は太っちゃんとの約束を実行する。

福岡で主人公は太っちゃんの奥さんと会い、太っちゃんの位牌にお参りする。

そして夜、太っちゃんの奥さんへ向けたラブレターのような詩のノートを見せてもらう。

その中にタイトルにある「沖で待つ」という言葉が入った詩があり、主人公は太っちゃんに死の予感があったのだろうかと訝しがる。

その後、太っちゃんの住んでいた五反田に行き、成仏できない太っちゃんと会話するところで終わる。



気がついたら太っちゃんに感情移入していて、彼が死んだ時悲しい気持ちになりました。

主人公にもサブキャラクターにも魂が入っていて、読んでいて楽しく、職場も現場感があり、感情移入できる作品でした。


芥川賞でも選評はそこまで割れず、賛成票が多かったようです。

ここまで面白かったら賛成票が多数でしょう。


失敗も共有してきた戦友のような同期がお互いの秘密を壊し合うのは、リアルだなと思いました。