こんにちは爆笑
田中リサです

芥川賞チャレンジ、第八弾

吉田修一 パークライフ

について、感想書いていきたいと思います。


以下あらすじです。

主人公は銀座で働き、バスソープや香水を取り扱う会社で広報兼営業を担当している。

知り合いの宇田川夫妻が家を空けている間、愛猿ラガーフェルドの世話を頼まれ引き受けた。

職場が銀座なので、日比谷公園をよく行き来している。

ある日電車で知り合った女性となりゆきで日比谷公園で度々会うことになった。

女性は前から主人公のことを公園の高台から見下ろして気になっていたという。

そしてもう一人気になっていた気球を飛ばす老人とも交流を持つ。

日比谷公園を通して、人間の取り留めのない思考や交流、男女の微妙な距離を描いている。




芥川賞の選評でもパーク・ライフは高く評価されていて、何がこんなに響いたんだろうと考えました。


ありふれた日常を淡々と描きながらも、ドラマティックなことは何も起こらないながらも、

日常に潜む何か始まる予感

一人の人間の取り留めのない思考回路や人間関係が公園を通して破綻なく描かれているから、芥川賞で高い評価だったのかなと思いました。


淡々と起こった出来事を描いているだけに見えますが、公園を通した人間関係、一人の人間の思考回路、男女の微妙な距離感と盛り沢山な要素をごちゃごちゃしていると意識させずに、最後まで読ませる筆力が高く評価されたのだと思います。


終始一貫してスッキリ


していました。


ただ今回も胸に響く切迫したものがなかったかなと思います。

何かを伝えようじゃなくて、淡々と感情のようなものさえ取り去って、技術を見せる品評会に出して高い点数が取れた、そんなイメージです。



私は吉田修一さんとは奇妙なご縁があります。

私の実家の近所に吉田さんのご実家の酒屋さんがあり、高校も私は吉田さんの後輩に当たります。


パークライフが芥川賞受賞した時、高校の各学年の各クラスに5冊ぐらい、図書館にも10冊ぐらい大量に本が寄贈されたのを今でも覚えています。


お父様が亡くなられた為、もう酒屋は廃業されましたが、吉田修一さんがお父様のために精霊船を担いだことは地元で話題になりました。


パークライフは気恥ずかしくてなんだか高校生の時には読めませんでしたが、上京して日比谷公園を知った今、読めて良かったなと思いました口笛


田舎娘の私だったらこんなに広い公園が存在することなど想像もつかなかったでしょう。


都会の空気を味わいたいなら、この本を是非お勧めします。