もう梅雨入りの季節ですね。
(ついこの前、令和になったばかりだと思っていたのに…💧)
今回は自分にとってちょっと忘れられない占例になりそう、そんな記事です。
何故なら占的がちょっと変わっているからです。でも本当の占的は実はとてもシンプルなものなのです。
この事例はお客様ではなく私の友人に起きた事で、匿名で投稿させて貰う事を了承済みです。
占的は「今年の5/27まで夫の死を兄に隠し通す事が出来るか」。無駄にインパクトがありますが、どうしてこんな占的なのかは以下の通りです。
とある法的手続きのために戸籍謄本を提出する事なったらしいのですが、謄本にはその人のこれまでの経緯がすべて載るため配偶者の死亡日時も記載されます。
相談者(友人なので敬省略)はやむを得ない事情から兄に夫の死を伏せてきた為、現行の謄本を渡すとこれが分かってしまいます。死亡日時が詳細に記載されていないものを新たに渡す必要があるのです。
ではなぜ兄に渡すのか?彼が他の兄弟の分も取りまとめて手続きしてくれる事になっているからです。どうせ手続きするなら一緒にという心配りです。
自分でやれば良い事のはずですが色々事情があるそうで… その手続きが完了した謄本を弟に渡せるのが最短で27日。提出期限は同月末、ギリギリです。つまり本来なら「27日に新しい謄本を受け取れるか」を占的にすれば良いのです。
しかし相談者は兄にわかってしまうか?という占的で譲りません。そう言われている以上、そう問うしかありません。
巳月 癸丑日 (寅卯)
咸→旅(合)
占的から世爻用神。占う相手は兄ですから兄弟、世爻にも兄弟が付しています。
世爻は静爻、相手の弟は回頭生。そして揃って日晨に入墓。方や隠し事があり入墓、方やいつ書類が来るのか見通しが立たない入墓。兄の方は「どうして今すぐ謄本を貰えないのか?」と訝しく思っているかも知れません。
墓庫冲開の未日は22日。27日まで5日もあります。もともと動爻である兄がここで痺れを切らして動くとアウトです。(謄本は親族なら取得可能) 六合卦に変じているのでこちらの思いが通るだろうと考えますが油断出来ません←兄はせっかち。でも明らかに求めている答えとはチグハグだなと思いつつ官鬼に目をやり…
日冲を受けてる上爻父母と合してる二爻の官鬼。…27日は子日。これです。この官鬼を公的機関とし、冲される事で「この日に書類を出します」という事になる。
本当の用神は世爻や兄弟ではなく、この官鬼であり生じられる父母なんですよね。占的に関係なく一番重要な要素が何なのかを見ろと言われています。やっぱりね、です。
結果として「恐らく隠し通せるはず、というか27日に受け取れるはず」と伝えました。
後日、27日に新しい謄本を無事に受け取って弟に渡せたとの連絡を貰い、胸を撫で下ろしました。六合卦は強かった(笑)
しかし。いびつな問いでも変化球で答えを寄越してくれるのだから易の神様はやはり凄いです。
その人の心中を何が占めているのかによって問い方が大きく変わります。もともと兄弟仲が悪い訳ではない事は私も知っていました。ただお互い生きる上で様々な事情が生まれ、隠し事をする事になってしまった。隠したいと思うのはバレる事で仲が険悪になりたくないという心情の表れなのだと、何となくしんみりしました。
ちなみに。
実は二爻の官鬼は亡き夫にも見えるなと思い…。伏神の妻財が空亡。これを「妻のフリ」をしている相談者と考えると、官鬼が冲される27日を以て夫=生きているフリを終えるとも取れると思ったのです。だってわざわざ妻財が伏す意味が…(これはセオリー無視の掟破りですが💧)
そんな事例でした。