ここ5年ぐらいで近所が激変している。

 

1軒は車や音楽、スポーツなど多趣味のおじさんの一軒家ひとり暮らし。気の良い人でご近所の庭の手入れやDIYを気軽に手伝う人だった。うちもタイヤの相談にのってもらったことがある。ある日突然亡くなり、あっという間に家は取り壊され新しい家が建った。

その隣には優しい老夫婦が暮らしていて、自分たちが食べるだけの野菜を育てていた。犬の散歩で通りかかると時々野菜やお花を分けてくれた。ここは奥様が2日で亡くなりご主人は娘と同居するために出て行かれた。家は今廃屋となりつつある。

その向かいはおばあちゃんの一人暮らし。70代と思われたが、いつもセクシーな下着が干してあり、うちの犬にもよく声をかけてくれたが、やはり亡くなり、ここもあっという間に新しい家に建て替わった。

 

その隣には50代の美男美女の夫婦と息子が住んでいた。小さい頃身体は弱かったが頭の良いひとり息子が自慢だった。奥様がテレビのインタビューを受けていたのを偶然観て、「やっぱり美人はインタビューされる」と言って一緒に笑ったのが最後となった。美人薄命とはよく言ったものだ。

 

その他にもそこらじゅう一帯お付き合いのなかったうちも次々と壊され、シェアハウスになったり一軒家があったところに二軒狭い家が建ったりして、見違えるようになった。昔の家は小さくても庭があり余裕のある建て方だが、新しく建つと庭も車庫もなく、最近は門扉さえない。新しいおうちの人たちは皆子供の小さい若い世代で、あいさつもなくまるで付き合いがない。

 

そして先日同じマンションの親しくさせて頂いていたおうちの奥様が亡くなった。つい1ヵ月前に私達が箱根で買ってきたお土産の干物が美味しかったわとお喋りしたばかりだった。ご主人は元ラグビー選手、仕事でアメリカ暮らしが長かった。奥様はやはりリウマチがあり、他にもたくさん病気をもっておられたので最近は入退院を繰り返していたが、その度に元気に戻ってこられたのに、亡くなる時はあっという間だった。

 

もう1軒、今闘病中で心配なお宅がある。旅行に行くといつもお互いにお土産をやりとりする仲だ。先日も拾ってきた銀杏をたくさん分けてもらった。

 

仕方のないことだけれど何だかすごく寂しい。

性格的に滅多に悲しい記事は書かないけれど、今回はちょっと暗いものとなってしまった。