今宵の夕飯にいつもは見慣れないものが並んでいた。


トマトのサラダの下にたっぷりのエンドウ豆


我が家ではエンドウ豆はさっと塩ゆでして食べることは今まであった。あくもなく春らしい雰囲気が出ていて美味だ。

しかし、今日のエンドウ豆はどうみても茹でていない。食べてみると野菜というよりは草の香がする。なんやら、茹でるという行程を忘れて食卓に出したのではなかろうかと思うほどだった。

こういう場合、妻に対して口のききかたは慎重に慎重を重ねて言葉を選んで聞かねばならない。


母さん、このエンドウ豆って生で食べるやつなの?

妻は平然と答えた。そうだよ、生で食べれるから…。


食べれるかどうかの問題ではなく、自分は生で食べて、何の違和感もないのだろうか?


他にもおかずはあったが、すべて帳消しにするくらい、エンドウ豆の生食の食感と香が口の中に残った。


普段夕飯では独り言を言う程度で寡黙なくせに、息子がいると饒舌になり、やたら息子に語りかけ相槌を求める。

しかもその内容たるや番組の出演者に対するツッコミだ。


家族として一緒に食事をしていることが苦しくなることさえある。