=第44話「またね」=
ぐれおじさんが息を引き取った翌日
小さな棺を作ってあげました。
中には彼が育ててきたマンチカンズとの写真をいっぱいいっぱい飾ってあげました。
寂しくないように。
こうして猫たちみんなが元気でいられるのもぐれおじさんのおかげ。
みんな棺に寄ってきて、お別れを言ってくれました。
「ありがとにゃ」
「また会おうにゃ」
そう言っているかのようでした。
棺を持って、ぐれおじさんが好きだった二階の窓辺に行くと、猫たちはみんなついてきてくれました。
しばらく、みんなでお外を眺めさせてあげました。
その後、ペットの葬儀屋さんにお預けして、数時間後
彼は小さな器に入って帰ってきました。
涙が止まりませんでした。
でも、形は変わったけれど、彼はいつでもそばにいる。そんな気がしました。
僕の猫嫌いを変えてくれた、ぐれおじさんと出会わなければ、マンチカンズとの出会いもありません。YouTubeをすることもなかったでしょう。そして、今年、会社を作ることも無かったと思います。
全てはぐれおじさんとの出会いのおかげ。
僕の人生を大きく変えてくれた、ぐれおじさん。
ありがとう。
何度も遺影に手を合わせました。
その後、数日間、不思議なことが起こりました。
夕方になると、ぐれおじさんの大好きな窓辺に猫たちが集まって、猫1匹分のスペースをあけて寝転がっていたのです。
ぐれおじさん、いたんですかね。
最後まで、気を使ってくれる優しい猫、ぐれおじさん。
僕の人生を変えた猫。
また、いつの日か会いに行くからね。
その時まで。
またね。
第44話 完