=第40話「朝」=
その日、ぐれおじさんは、夜中にお布団に来て一緒に寝てくれました。
最近は来なくなってたのに、その夜はいつものように僕の頭の横に丸まって寝てくれました。
朝6時頃、彼はフラフラとトイレに歩いていきました。
でも、途中で倒れて、そのまま排便。
もう、体に力が入らないのでしょう。
僕は彼を抱き抱えて、お布団に戻してあげました。すると、またすやすや眠りにつきました。
病院は9時から。
なんとか病院まで持ちこたえてね。
そう言いながら、ずっと彼の寝顔を見つめてました。
そして、9時。
彼をケージに入れて、病院に向かいました。
待合室では、少しぴくぴく痙攣をしていました。
待合室は朝から少し混んでいました。
辛そうな彼を撫でながら
名前が呼ばれるのを待っていました。
そして、ようやく彼の番。
すぐに血液検査をしてもらいました。
「昨日より数値は思わしくないです。血糖値と体温も低いので、今日も点滴をしますね」
ずっと彼を診てくれたお医者さんも、元気がありませんでした。
「あとどれくらい頑張れそうですか?」
「これ以上、無理な処置をしても辛いだけだと思います。この土日を超えられるか・・・」
「そうですか・・・」
ついに、その言葉が発せられました。
隣のYuさんも、ポロポロと涙をこぼしていました。
血液検査も点滴も嫌だったよね。
偉かったね。
でも、もう少しだけ頑張ってね。
僕はぐれおじさんを預けて家に戻りました。
体の力が抜けて、ぐったり椅子に腰を下ろしました。
ブログとTwitterには彼への応援メッセージが沢山寄せられていました。
その一つ一つを読んでいたら、涙が溢れてきました。
彼も頑張って、みんなも応援してくれてる。僕が一番しっかりしなくては。
ブログに報告をしながら、時が経つのを待ちました。
そして、1時間後、彼を迎えにいきました。
血糖値と体温は上がりましたが、痙攣はおさまっていませんでした。
帰宅して、しばらく抱っこして撫でてあげた後、
毛布にくるんで、彼を寝かせてあげました。
ティオパパや、メルママ、猫たちが交替で様子を見に来てくれました。
でも、彼は反応もかなり薄くなっていて、目線も合わなくなっていました。
このまま穏やかに今日を過ごしてくれたらいいな。
静かに彼を見守っていました。
ところが・・・
第40話 完