=第28話「ぐれおじさんのお引越し」=
2017年の3月、ぐれおじさんが元奥様宅にお引越しとなりました。当時15歳だったぐれおじさん、人間で言うと76歳。だんだんとご飯を食べに行くのも遅くなり、おもらしもするようになっていました。我が家のような多頭飼いだと、ご飯が出遅れるとほかの猫達に食べられて食が細くなるんじゃないかとも思い、しっかり老後のケアをしてあげようということで、元奥様のYuさんのお宅で1匹で面倒を見てもらうことになったのです。
ほかの猫たちにとっては寂しいかなとも思ったし、もちろん僕も寂しかったのですが、ぐれおじさんの長生きのためと思い、Yuさんと相談して決めました。
Yuさん宅で1匹で過ごすようになったぐれおじさん、ちょくちょく様子を送って貰っていたのですが、たいそう甘えん坊に、戻っていたようです。若い頃はニャーニャー鳴いていたのが、だんだん鳴かなくなっていたのですが、Yuさん宅ではまた鳴くようになったようです。
「お腹すいたニャー」
「仕事行かないでニャー」
と、Yuさんとの二人暮しを楽しんでいました。
たまに我が家に遊びに来ることもあったのですが、そしたらまた鳴かなくなるんです。ほかの猫たちに遠慮していたのかな。本当は子供のように甘えたかったけど、ほかの猫の前ではみんなの育ての親として見守る側に徹していたのかもしれません。
ちょっと痩せてきていたぐれおじさんも、Yuさんと暮らすようになってから、体型もふっくらしてきていました。
僕は、
「これなら、まだまだ長生きできるね」
そう話しかけていました。
ぐれおじさんは元気いっぱいに、楽しくYuさんとの生活を楽しんでいました。
2018年の年末までは。。。
第28話 完