流音のブログ

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傍に居って、甘い言葉でいつも囁いて欲しい・・・

自分だけが、特別なんやと思わせて欲しい・・・

誰でもええ訳やないの・・・

あんさんだけに・・・愛されたいんや

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    衛 side

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少しして、彼女がマグカップを2つ持って戻って来て

「ビールとか、買ってないから・・・」と言いながらテーブルの上に置いた

「いや、コーヒーで構わないよ」と答えてマグに手を伸ばすと

彼女は俺から少し距離をとり、テーブルの角を挟んだ向こう側に座った


さっき、俺が余計な事を言ってしまったからか

彼女が微妙な距離をとっているように感じた

何を話せば良いか迷って、黙ったままコーヒーを口に運ぶと

彼女も黙ったままマグを手に取った


コーヒーを飲んで少し落ち着きを取り戻した俺は

「百合ちゃん・・・年末の予定は?東京へ帰るの?」と話しかけた

「いいえ・・・衛さんは?」と逆に訊かれて


「俺も・・・それじゃ、俺と一緒に年越ししない?2人で初めての

クリスマスに・・・こんな事ぐらいしか俺、してあげられないから」

笑いかけてそう言ってコートに手を伸ばし

ポケットの中から箱を取り出して彼女の前に差し出した


会う約束もしてなかったのに・・・それでも

彼女の為にって、用意してしまっていたクリスマスプレゼント

(無難に、定番のネックレスにしてしまったけど・・・)


「ぇ?あの・・・」と彼女は俺の顔を見つめて言葉を止めた

「連絡も出来なかったくせに、気付いたら・・・店で百合ちゃんに

似合いそうなのを選んでて・・・自分でも不思議だったんだけど

やっぱり用意して良かった・・・こうして百合ちゃんと会えたから」


彼女の手がゆっくり箱に触れて

「開けてみて・・・気に入ると良いんだけど」と言うと

彼女は頷いて、箱にかかったリボンを解き・・・箱を開けた

「ぁ・・・」と小さな声をあげてから俺を見つめて


百合 「ありがとう、でも・・・私、何も用意してないから・・・」


衛   「俺と年越しするって言って・・・それが俺へのプレゼント」


百合 「でも、誕生日だって・・・何も出来なかったのに・・・」


彼女が眉を寄せて、困ったように言うから

「それは来年、一緒にお祝いしてくれるって言ったじゃん・・・俺

それが一番嬉しいよ?俺の傍に居てくれるって、約束だからさ」


俺が箱から小さなダイヤのついたクロスを取り出して

「つけてあげるから、こっちに来て・・・」と言うと彼女は小さく頷いて

立ち上がると俺の傍に来て背中を向けて座った

金具を外し彼女の胸元に手を回して・・・金具を留めた


振り返ろうとした彼女をそのまま背中から抱きしめて

「捕まえた・・・もう、離さない・・・このまま傍に居て」

胸元に回した手に、彼女の鼓動が伝わって来る

きっと俺の胸のドキドキも、彼女の背中に響いてるはず


お互いの鼓動が重なり合って、加速するように速くなる

黙ったままの彼女の事が気になって顔を覗き込もうとした時

彼女の手が俺の手に重ねられた

体の奥から甘い疼きが体中に広がっていく

だけど・・・それ以上に温いものが胸の中を埋め尽くす


彼女の耳元に唇を寄せ、そっと耳にくちづけて

「今、凄く幸せで・・・百合ちゃんとずっと一緒に居たい」

そう言うと彼女が振り返りながら

「私も・・・」と言うと、唇が軽く触れてすぐに離れた


(え?今・・・百合ちゃんから、キス・・・した?)

すっごく嬉しくて思わずニヤけてしまうと、彼女が恥ずかしそうに俯いて

俺が腕を緩めて、彼女の体を自分の方へ向けると

引き寄せ合うように唇が重なった


彼女とやっと思いが通じ合ったんだと思うと嬉しくて

ゆっくり、味わうようにくちづけを深めて行く

彼女の甜い声が鼻から抜け、胸元の手が俺の上着を掴む

俺は堪らなくなりギュッと彼女を抱きしめ・・・唇を少し離して


「百合ちゃん、嫌なら今言って・・・そうじゃなきゃ、止められないよ」

俺がそう言うと彼女は目を閉じたまま「嫌じゃ、ない・・・」と言って唇を重ねた

その夜・・・出会ってから1年目のイブの夜に

俺は、彼女と初めて肌を重ねた


意識を手放した彼女が、俺の胸元で小さな寝息を立て始めた

脇の棚の上にあるスノードームに手を伸ばし、そっと持ち上げて

ネジを回して置くと雪が舞い散り・・・メロディが流れ始める

俺は彼女の顔を覗き込み、少し赤く染まった目元にくちづけて

燻る熱を持て余しながらも心地良い彼女の温もりに包まれ目を閉じた


翌朝、いつもの時間に目を覚ますと隣に彼女がいなくて

部屋の中を見回すと俺のスーツとワイシャツがハンガーにかけてあり

Tシャツと下着が畳んで脇に置いてあった

俺が起き上がるとドアが開いて彼女が入ってきて


「ぁ・・・おはよう、ございます・・・お風呂湧いているので・・・」

そう言うと彼女は真新しいバスローブを俺に差し出した

「うん、ありがとう」と言いながら受け取ると

「去年の忘年会のビンゴで、ペアで貰ったけど使ってないから・・・」

彼女は恥ずかしそうに俺から視線を外してそう言った


広げて羽織り、立ち上がろうとすると彼女は慌てて背中を向け

「食事の用意してます」と言って部屋を出て行った

(あれ?もしかして、昨夜の事が恥ずかしいのか?)

あんまり可愛い反応をするから、つい吹き出してしまい

笑いを堪えながら部屋を出てバスルームへ向かった


彼女1人で住んでいるんだから当たり前なんだけど

シャンプーやボディソープ、小物類も女の子らしい物が置いてある

体を洗って浴槽に浸かってからシャンプーをしていると

彼女の髪から同じ匂いがしていた事を思い出した


風呂から上がり、バスローブを着てタオルで髪を拭きながら戻ると

彼女がテーブルに出来上がった物を並べていて

俺に気付くとまた恥ずかしそうに視線を外した

「あっ、ゴメン・・・着替えてくる」と言って急いで寝室へ入り

着替えて上着を持ってリビングに戻った


「簡単な物、ですけど・・・どうぞ」と言われてラグに座ると

ご飯とお味噌汁を運んできて、テーブルの上に置いて彼女も座った

2人で朝食を食べながら年末の約束をした後

俺は1人で先に彼女の部屋を出て、車まで歩いて乗り会社へ向かった

(本当は一緒に出たかったけど、俺の方が時間が早いからな・・・)