- カラフル/森 絵都
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というわけで、記念すべき一回目は私の人生を変えたといっても過言ではない本の紹介。
森絵都さんの『カラフル』です。
一言で述べますと、『崩壊と再生の物語』。
解りにくいのでもうちょっと詳しくあらすじをば。
「おめでとうございます、抽選にあたりました!」
死んでしまったはずの「ぼく」に向かって、天使はそう言った・・・
前世で大きな罪をおかした「ぼく」は、本当は輪廻のサイクルからはずれて消滅する運命。
しかし下界に居る誰かの体を借りて暮らし、その中で前世の罪を思い出すことが出来ればまたサイクルの中に戻れる、らしい。(これを天使は「ホームステイ」と言うらしいです)
そして「ぼく」が乗り移ったのは自殺した「小林真」という14歳の少年。
真は絵を描くのが得意な以外は特にとりえもなく、友達も居ない、どうも冴えないヤツ。
しかも、最初はいい人たちに見えた家族も実はとんでもない連中だった。
父親は自分さえよければいい偽善者、母親はフラメンコ教室の先生と浮気、兄は真のことをひたすら嫌っている。
その上好きな女の子は中年親父を相手に援助交際。
でも、どうせこれは「ホームステイ」。これは他人の、しかも終わってしまうはずだった人生。
そうやって気楽に過ごすうち、本当はみんなそんなに単純じゃないということが見えてきて・・・
テーマは多分「生と死」とか「家族」とか。重いものを扱っているのに文体はあくまで軽く、シリアスな場面でもどこかコメディタッチ。
「小林真」という人間を知るうちに「ぼく」も少しずつ変わっていき、最後にはどんでん返し・・・
文句なしで私の中で史上最強の作品です。今のところこれに勝てるほど面白い本には出会っていません。
ぼろぼろ泣きながら更に泣いてしまったのが終わり間近、これからを不安がる「ぼく」に向かって言った天使のプラプラの台詞。
「ホームステイにルールはありません。与えられたステイ先で、誰もが好きにすごせばいいのです。ただし、自分からリタイアはできませんが」
これはもう、人生の本質じゃないかと思います。
好き勝手にすごしていい、でもリタイアはできない。
最初に読んだとき丁度いろんなことがあって『死にたい』と思っていた時期だったので、思い直すことができました。それから大分変わりまして・・・
何故か私の周囲では知名度がかなり低い作品なのですが、たくさんの人に読んでほしいです。