父と最期の10日間 | 凛生 オフィシャルブログ 「Never too late」 Powered by Ameba

父と最期の10日間

アメブロさんお久しぶりです。

最後の投稿から一年が経ってしまいました。

色々、本当に色々あった一年でした。

 

去年の7月、伊豆のLIVEを無事に終えて東京に戻った途端、

父の容態が急変して緊急入院となりました。

今思えば、私が伊豆に行く前に既に容態が悪かったはず。。。

「頑張っておいで!観に行けなくてごめんね」と弱々しい声で送り出してくれた父が一番、私の久しぶりのLIVEを楽しみにしてくれていました。

だからこそ、私の帰りを気丈に待っていてくれたのだと思います。

 

入院から1ヶ月、危険な状態が続く中で、

コロナ禍という事もあり、このままだと家族に会えず自宅に帰れないままになる、という状況で、主治医と相談し、

なんとか退院できるように、と繋がった管を抜く処置を繰り返すものの、管を抜くと数値が跳ね上がってしまい、今日も退院できません、、、を繰り返し、

3度目か4度目かの正直で、8月末に退院。

そこから24時間付きっきりの介護が始まりました。

 

慌てて手配したのは、

介護ベッド、酸素吸入機、痰吸引器、などなど

私は初めて扱うものばかり。

しかも、父が癌告知を受けて慌てて申請した介護認定が

更新が必要だというのを忘れていて、まんまと更新切れで一から申請をし直したりと、、、(介護認定されるまでに通常ひと月以上はかかる、、、)

地域包括支援センターに駆け込んで助けてもらわなければ全てが間に合いませんでした。

ケアマネージャーをその日のうちに決めてくれて、

その日のうちにレンタルの介護ベッドを手配してくれたのも、地域包括支援センターの担当者のお陰です。

 

何故ここまで詳しく書いているかというと、

介護認定を受けていて、また終末期の癌患者ならば、介護ベッドを直ぐにレンタルできることを知らない人が多い、自宅で看取りたいけど躊躇してしまう方々のためにも

どうか皆さんに教えてあげてください、とフランスベッドの担当者の方が話されていたから。

まだお若いその方は福島出身で、あの3.11を経験されて新卒でフランスベッドに就職されたそう。

大変な経験をされたからこそ、患者や家族に優しく寄り添ってくださるのだろう。本当に助けられました。

 

訪問診療の医師と看護師に教わりながら、

溜まった痰を管で抜き、動けなくなった父の身の回りの介護は全てやりました。昔、祖母の介護をしていた時と違うのは大きさと重さ。

父も痩せ細ってしまったけれど、腰から下は大量の水が溜まりパンパンに膨れ上がっていて重いの何の。。。

介護用寝巻きもLLサイズになってしまった。

このLLサイズの寝巻きを探すのが又大変で、明日必要だというのにそこらに売ってないんだもの。。。

頼みの綱はジモティー。同じようにご家族の介護の為に買ったけど使用しなかった、という女性が出品してくれていて助かった!

「大変でしょうが、気持ちを強く持ってね」と思いがけぬ励ましに、泣きながら寝巻きを抱いて帰って来たっけ。

経験者だからこそ労われる優しさが温かかった。

 

数時間おきだった熱と血圧と酸素計測は日を追うごとに間隔が短くなり、危篤になってから

父が会いたい友人や親族を呼びました。

みんなが集まり出すと意識が戻ってきて、全員にお別れを言えて、、、

という事をなんとあの方4回も繰り返した!!

このまま眠ったまま逝かれると思います、と言われてから4回も目を覚まし、その度に

「あれ〜?まだ生きてるな〜みんなごめんな〜」と言っては家族全員に別れを言って、

しまいには、もう水も飲み込めないはずなのに

末の弟のお酒が飲みたい、と

(前月に開店した弟のBARに行けずじまいだった事を悔やんでいた父)弟は急遽あるものでカクテルを作り、全員で乾杯して、、

最後の家族写真を撮ってピースまでしていた父。

 

「我が人生に悔いは無し。万歳!」と高々に万歳までした父は

9月1日、眠ったまま安らかに息を引き取りました。

 

私の一番のファンであり、応援団長でした。

父がいなければ私は歌を始めなかったし、歌い続けていられません。

最愛の父を亡くして、悲しむ間も無く

私の次章がスタートし、とにかくバタバタで

未だに父の不在が信じられませんが、とにかく、、、

 

父と最期の10日間は、家族全員で濃密なかけがえのない時間を過ごせました。

父のように天晴れな最期を迎えられるような人生を歩んで行きたいと心底思います。

楽しい人生だった、幸せだった、と最期に思って人生を終う事ができるなんて、こんなに幸せなことはないと思うのです。

 

お父さん、ありがとう。

大好きだよ。

 

 

 

長文読んでくださりありがとう。

またお会いしましょう。