ジェンキンスさん | 凛生 オフィシャルブログ 「Never too late」 Powered by Ameba

ジェンキンスさん

1956年1月5日
それは私が自分の弱さに負けてしまった日だ。
男として、そして軍人として困難に正面から立ち向かうことをせず、
逃げ出したのだ。


  「告白」ーチャールズ・R・ジェンキンス 著ー




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先日の佐渡島旅行で

土産物屋に入ったら

このジェンキンスさんがいた




あまりに突然の出来事に驚いた

それは、有名人に会ったから…というような理由からではなく

あんなに哀しい瞳をした人に初めて出会った衝撃からだった




店に入ると早々に売り子の人達が寄ってきてこう言う

「このお菓子はここでしか買えません!
 後ろでジェンキンスさんが箱詰めしてますでしょう?
 毎日ここで働いているんですよぉ~
 …カメラお持ちですか?
 ジェンキンスさんと写真撮れますよぉ~!」



私は売り子さん達に怒りを感じた




店内には
「店員との写真撮影はお断りします」と掲示してあるのに、だ




私たち以外のお客さんたちもドン引きだった






ジェンキンスさんはたった一度の過ちから北朝鮮に足を踏み入れたが最後

40年間も閉じ込められていた

想像を絶する人生を歩んできたのだから

簡単に日本への脱出を決断できたわけではない

奥様の曽我ひとみさんとて

命からがらの生還なんだ





奥様の故郷である佐渡島に心から感謝しているからこそ

ああして店頭に立っていらっしゃるのだろう



有名税という言葉がある

有名になれば耐えなきゃならないことが沢山うまれる





でも

それにしても…と思う






哀しい瞳から目が反らせなくなった私は

衝動的に著書を買った

なんだろう、sorry という感情が芽生えていてね

きっと 日本人として恥ずかしかったんだと思う




ジェンキンスさんと握手をした

とても力強い握手だった




その温もりとあの瞳が今でも忘れられない





店から出て行く観光客は私たち含め皆無口だった






どうか日本を嫌いにならないでほしい