ぼく 「ねえ、ママ」
ママ 「なに?」
ぼく 「ぼくは、この道をひとりで帰れないよね」
ママ 「そうね、まだ無理ね」
ぼく 「だから、ママは手をつないでくれているの?」
ママ 「そうよ、あなたが道をまちがえないようにね」
ぼく 「そうか、それって何才ぐらいまでなんだろ」
ママ 「たぶん、小学校にあがるくらいまでじゃない」
ぼく 「じゃあ、もうすぐだ」
ママ 「うん、もうすぐだね」
ぼく 「ママと手をつなげられなくなるの、さびしいな」
ママ 「ママもさびしいけど、仕方ないのよ」
ぼく 「ママといつまでも、一緒にいたいな」
ママ 「そうね、ママもそう思うわ」
ぼく 「ぼくが、おとなになってね」
ママ 「うん」
ぼく 「ママがおばあちゃんになったらね」
ママ 「うん・・・」
ぼく 「ぼくが、ママの手をとって歩いてあげる」
ママ 「そうなの」
ぼく 「ママが転ばないようにね」
ママ 「そうね、そんな日がくるかもね」
ぼく 「だから、ずっと先だけど、また手をつなげるよ」
ママ 「そうかあ、じゃあママも長生きしないとね」
ぼく 「だから、・・・ね」
ママ 「なに・・・?」
ぼく 「さびしくなんて、ないんだよ」
ママ 「ありがとう・・・」
