君にそっとメリークリスマス | せんねんのかなたへ

せんねんのかなたへ

きみにきかせたい ぼくの、ものがたりを

君は、一人じゃないよ

 
僕がいるから
 
寂しくないよ
 
こんなお話を聞いてね
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
深い森の中にいる二人
 
昼から降った雪はやんで
 
星空が見えてきた
 
樹々の間から見える
 
星の明かりが暗くなるにつれて
 
輝きを増す
 
二人で枯れ木を拾い
 
焚き火にした
 
並んで座って
 
暖かい火に
 
手をかざす
 
僕は君からもらった
 
毛糸の帽子を被り
 
君は僕があげた
 
襟巻きを首に巻いた
 
そして
 
僕は、知っている限りの
 
クリスマスソングを
 
歌った
 
次から次に歌った
 
君の心の中に
 
火が灯るように
 
暖かく暖かく
 
なるように
 
僕は歌った
 
君は目を閉じて
 
じっと聞いている
 
君はもう
 
眠ってしまったのだろうか
 
そんな君が愛しくて
 
僕は
 
君の肩を抱き寄せた
 
僕の肩に
 
君は、ゆっくりと
 
頭を乗せてきた
 
森は
 
静かに、静かに
 
僕たちを包んでくれた
 
歌いながら
 
僕は、空を見上げた
 
焚き火の煙が
 
星空に立ちのぼっていく
 
もう、今年もあとわずか
 
来たる年は
 
どんな年になるんだろう
 
君にとっては
 
今年は、つらいことばかり
 
だったかもしれない
 
降る雪が止み
 
暗い雲が退いて
 
新しい年が
 
黄金色に輝く日々に
 
なりますように
 
ちっぽけな僕が
 
できることと言ったら
 
下手くそな歌と
 
君の安らぎを
 
祈ることばかりだ
 
そして
 
いかなることが
 
あろうとも
 
僕は
 
君の肩を
 
抱いて離すまい
 
輝く星たちに
 
そう誓い
 
僕は目を閉じた
 
聖なる夜は
 
静かに
 
静かに
 
更けていった