君を抱いていいの? | せんねんのかなたへ

せんねんのかなたへ

きみにきかせたい ぼくの、ものがたりを

 

 

 

 

 

夏が四季のなかの

 

ひとつだなんて

 

それまでも

 

おもったこともなくて

 

とくに、二十歳のころの俺には

 

とてつもなく大切な時季で

 

人生でこんなエキサイトな時って

 

もう二度とあるかとおもうくらいなもんだった

 

照りつける太陽に

 

気持ちばかりが空回りして

 

いてもたってもいられないが

 

さりとて、何があると言うわけでも

 

もちろんなかったし

 

何かを計画してやり遂げるなんて

 

とうていできている訳もなかった

 

ただ、海にいけばいいし

 

女の子を連れて

 

いければいいし

 

もう、それが全て

 

明け方の砂浜で

 

生ぬるい風に吹かれながら

 

徹夜で車を飛ばしてきた

 

そんな疲労感と失われていく集中力

 

ここで決めなきゃ

 

男じゃない

 

今年の夏も過ぎ去ってしまう

 

焦りと熱いものが

 

寝ボケ頭のなかを

 

グルグルまわっていく

 

何があったところで

 

結果はいつも

 

大したことにはならないけど

 

それでも

 

二十歳の俺は

 

そのただなかにいた

 

海は朝焼けに

 

光り輝いていた