こんにちは、Linです。
 かなりご無沙汰になりました。

 久々に面白いネタを見つけたので、書こうと思います。

 急激に大きな話題と議論をJサポ界隈にもたらしているのが、ヴィッセル神戸のホームゲームチケット価格問題。

 発表された2019シーズンの価格表は以下のようになっています。

 




 他のスタジアムと比較して、圧倒的に高いといっても過言ではないでしょう。

 実際、神戸サポのみならず、他クラブのサポーターの間でも賛否両論を巻き起こしています(が、どちらかと言えば否が多い感じです)。

 ルーカス・ポドルスキ、アンドレス・イニエスタに加え、今シーズンからはダビド・ビジャも加わった神戸。先日スタジアム内での現金使用を不可にすることとなり(カード支払いのみ)、さらにはアメリカでのプレシーズンマッチ開催を行うなど、これまでのJになかった流れを取り入れようとしています。

 その一環でしょうか。チケット代を値上げすることで「ブランド化」を図ろうと画策しているのではないでしょうか?

 率直に言えば僕は、今回の値上げに関しては、「一部賛成であり一部反対」という立場です。

 詳細にお話ししていきましょう。

 まず、チケット代がここまでになった理由として考えられるのは、
・ポドルスキ、イニエスタ、ビジャを含めた選手やスタッフへの年俸などを回収するため
・「ヴィッセル神戸」というブランドを確立するため
・単純にスター選手が観られるということに対する付加価値

 あくまで仮想ですが、こうなると色々な面で賛否両論が出ます。とりあえずは反対したい部分から挙げていきます。

 言うまでもなく高校生以下や大学生にとってはなかなか手が出しづらい値段になってしまったことが大きいでしょう。気軽に週末に行くことが難しい価格設定になってしまったことは否めません。

 さらにビジター側は、そもそも席数が少なくなり、ホーム側と同じ値段に設定されています。

 確かにビッグスターを生で観ることができると言う価値はあるでしょう。しかしアウェイ側に来る人々が観に来ているのは、あくまで自分の応援するクラブが戦う姿であることを忘れてはいけません。

 僕が考えるのは、100歩譲ってこの設定価格に納得したとしても、学生料金やアウェイ側までわざわざこの値段に設定する必要があったのでしょうか?

 地元のクラブを好きになる、そして定着してもらうための第一歩として、なんとなくでも足を運んでくれる若いサポーターの存在は重要です。彼らをないがしろにしていると言われても文句が言えないでしょう。

 また、神戸ではなく自チームの応援に来るサポーターにまでこの値段を払わせるというのは、果たしてどうなのか。イニエスタやビジャ、あるいはポドルスキ目当てに来るわけではない人達に課す値段としては、あまりにも高すぎませんかね。

 それでなくてもこの価格では一般的な観客もサポーターも離れざるを得なくなりかねません。嫌でも経済的な問題でチケットが買えなくなる人が出てきます。

 ただ、賛成したい部分があることも確かです。

 例えば、この値段でもスターを観たい!という人が多く来れば、その分だけクラブの収益に繋がります。そうすればまた新しいビッグネームを獲得でき、戦力的な上積みだけでなく、世界からの注目度を上げることもできますよね。

 よく、ヴィッセルは神戸を捨てた、という言葉を聞きます。僕は違うと思います。

 神戸を捨てたのではなく、神戸というホームタウンから世界を見るようになり、世界へと進出する準備をしているのではないでしょうか。

 確かに成績的にはお世辞にも日本を代表できるクラブとは言えません。しかし、成績や歴史で代表するのが浦和レッズや鹿島アントラーズ、あるいはガンバ大阪ならば、ブランドというよりクラブとしての特色で代表するのがヴィッセル神戸になりつつあるのではないでしょうか。

 相次ぐビッグネームの獲得レースに参戦し、その名をヨーロッパに轟かせ、今ではアメリカキャンプまでするクラブになりました。アメリカですよ、アメリカ。
 
 Jリーグの発展のためにも、ヴィッセル神戸がやろうとしていること、あるいは現在進めているプロジェクトは非常に鍵を握るのではないかと見ています。

 もし、ヴィッセルのプロジェクトが数年後でも機能していれば、間違いなくJリーグには今以上のビッグネーム旋風がやって来るはずです。

 現役のスペイン代表やブラジル代表がいてもおかしくないリーグになるかもしれません。

 そのための第一歩がチケットの値上げだとすれば、クラブがやろうとしていること、目指そうとしているものが自ずと見えてきます。

 さらに、先程あえて触れなかったビジター側の席数。物凄く減らしましたね。

 これで、ノエビアスタジアム神戸に圧倒的なホームの雰囲気を出そうとしているのであれば、紛れもなく賢いやり方ではないでしょうか。

 ビッグネームに圧倒的なホームアドバンテージ、そしてブランドとしての世界的な価値。

 ヴィッセルが進む道は、確かに険しいものかもしれないですし、ともすれば人が去っていきかねないものかもしれません。それでもここまでやれるクラブが日本にはまだ存在しません。

 ヴィッセル神戸が世界においてその地位を向上させる日も、そう遠くはないかもしれない気がします。

 そう考えると、今回のチケット代を一概に批判することはできないと思いましたね。

 今後ヴィッセルが、三木谷氏が、どのようなクラブになろうとしているのか。その答えが、今シーズンのノエスタにあるかもしれません。