2VS2 『全国女子高校生選手権』 について
少し振り返る。
初めに LINX’S 02公演をやる!と決めた時に声をかけさせて」頂いた劇団さんである。
最初に観た時の衝撃はなかなかなかった。
まず目に付いたのは作品である事は間違いないが、話を何度かするうちにその姿勢にも惹かれた。
他の劇団にはないカラー。
それは、どの劇団もお客さんの為に・・・という姿勢は普通だが彼らはまず「お金」ありき。
そして分析を重ねつつキャリアを重ねていた。
つまり彼らは「お金」がなければ劇団は育たないコトを普通に見抜いており、それが道理であると実践を積み重ねていたのである。
普通はお客様のためだと演劇活動のコトを伝えるのだが、彼らは「お金」・・・つまりは自分達のためだと公言してはばからなかったのである。
いや、
勿論それはどの劇団にも通じることではあるのだが、彼らのお客様へのスタンスは本当に果てしがない。
ここで書いてしまうと、マネをする劇団も居るかもしれないので、あえて書かずにおく。
書かずにおくが、ひとつだけ書くと、お客様に満足してもらう為に、作品は勿論のコト、会場においてもお客様に満足してもらう為の気配りが隠されている。
嘘だと思ったのなら一度、そういう目で 『2VS2』 の公演に行くといい。
演劇だけでも面白いのに、そういった気配りにショックを受けて、自分達がそこまで考えもしなかったことを愕然とするに違いない。
2vs2第14回公演
インディペンデントシアター1st
おっと、
作品の感想だった。
思わず 劇団のコトだけで日記を終えるところでした・・・・!
今回の作品の事もですね!
それでは、行きます!
2VS2
「全国女子高校生選手権」
【脚本・演出】徳山1982
【出演】長橋1982、番匠1982、浅野198X、長縄1982、葵198X
僕はこの作品を観るのは2回目だった。
1回目はロクソドンタブラックにて観劇をさせてもらっている。(09,9,18 写メもその時ののもの)
その時も面白かったが・・・・・・
今回はそれを更に上回った!!
笑いのツボが自然にずどん!と決まるのが本当に気持ちいい。
これをコントと捉える人が大多数である事は予想がつく。
勿論、僕もそう感じていた。
しかし彼らは 「コントをやっているのではない。」 と答える。
「僕らがやっていることはショート・ストーリーです。構成力を見てください。」 と言葉を続けた。
今回の作品を観るとその言葉の意味がよく分かる。
物語ではなく、あくまで流れを重視し、またその中で生まれる笑いはある一点を完璧に排除したものであるのである。
僕は気が付かなかった。
演出の徳山さんに言われて、あっとなった。
そうしてもう一度観てみる。
納得である。
背筋が寒くなった。
一体、なんという視野を持っている人なのだろうか?
このことに気が付いている人が、どれくらい居るだろうか?
表向きの笑いがカモフラージュである事はもう動かしがたい事実だ。
それを知った時にはもう恋に落ちている。
これを知ってしまうと、やはり次が気になって仕方がなくなる。
そしてその種明かしをここでするのも無粋な話である。
それは 『2VS2』 をこれからも観続けて紐解いてゆく楽しみがある劇団として見据えるべきなのだ。
例えばひとつのゲームがあって、それらの中に隠されたアイテムをひとつひとつ見つけてゆく快感があるのは事実だ。
そして『2VS2』 は、そういった種類の劇団なのである。
1回、2回、3回と繰り返して観て考える事が出来るアイテムなのである。
さて、
お芝居のコトだが、その選手権があるのかないのかは別として実況席の二人の名前に気が付いた人が一体何人居た事だろうか?
僕は・・・・マニアではないのだが、それを1回目で看破してアンケートに書いた。
そしてその公演でその事実に辿り着いたアンケートは僕一人であったという事実。
えーーーい、もうこれは書いてしまおう。
二人の名前は、週刊少年マガジンで連載をしていた 『BOYS BE・・・』 という漫画の原作と作画をしていた二人の名前そのままだったのである。
つまり、
高校時代の甘酸っぱい時代の中に仄かに香るダメダメ感を、あの思春期真っ盛りに猿のように好きになるバイブル 『BOYS BE・・・』 の名前を出してきているのである!
また役者陣全員が達者あのである!
長橋さんの鉄壁のキモキャラは本当にゾクリ!とするほどのうっとおしさである!(褒めてますよー)
いらっとする褒め言葉の連発に観客が殺意を抱くほどの周到さだ。もはや神レベルと言っていい。
葵さんのウルトラ可愛さを武器にメガネ萌えを実践する辺り只者ではない。(笑)
仕種、声質、そしてその視線・・・・男が喜ぶ術を全て十二分に兼ね備えた素晴らしさ!ぶらぼー!
長縄さんの声は出さねど全てを出している感触は本当に素晴らしい。
また 『2VS2』 最多客演でありながら 『2VS2』 ではないという距離感が生んだ奇跡のパフォーマンスだった!
浅野さんの達者というレベルは既に・・・完全に越えているものと思われる。
本当に何をさせてもそつがないし、しかもなりきれるのだ。憑依型ではないのに、ガラスの仮面を持っている女!
番匠さん!自分は制作がしたいと言いながらも、これだけのハイパフォーマンスを駆使できるのは本当に凄い。
声、そして身振り手振りのオーバーアクションがこれほどまでに決まるのは天性のものと言っていい。
これから客演が増えるものと僕は勝手に思い込んでいる。
以前、その話をした時に「僕はしません」と言われていたのだが、02公演を経験してどうなったのか気になるところだ。
さてさて、ずらずらと書き綴ったが、Bチームのトップバッターとしてこれ以上はないお客様のハートをガッチリとつかんでくれた。完璧のトップバッターだったと僕は思っている。
2VS2 さん!
本当に有難うございました!!!