【マフィア企画】ひとときのさようなら。見つけたら、こんな馬鹿な僕を怒鳴ってね。【夏電戦】 | あたしの海にさよならを

あたしの海にさよならを

あなたはあたしのすべてだったの。 だからさようなら。 さよなら、あたしの海。



※ご注意※
必ず先に【それはきっと、八岐大蛇の害悪たる所以】というりんりんの漫画モドキを読んでください。
クオリティが残念とか言わないの!それでも読んでくれないとだめなの!←←←←←
先にこちらを読まれた場合、とんでもないネタバレの危険があります。←

































**************************






緑の瞳が、闇夜に煌煌と。

「ごめんね、ジキル。」

狗はぎらりと、牙を剥く。




  ――それはきっと         蛇の





ハスキーの応急処置を終え、「デジレ=ドゥシャン」へと戻ったウロボロスは、テルシスの情報とRe dei Caniから送信されてくる街中の監視カメラの映像を頼りに、現シェパード、ダビデを探していた。ダビデから一本の電話が来たのだ。「探して欲しい奴がいる」、と。今まで書面で送信してきていたのに、今に鳴って何故電話などという盗聴されやすい手段で連絡を寄越したかは容易に判断はつく。おおかたそれに重傷を負わされたのだろう、そして己の残された時間を悟ったのだろう。ある程度の判断はついた。ハスキー、恐らくあれに壊されたのだ。そしてウロボロスとして、デジレとして、両方の治療にあたることになった。皮肉すぎやしねェか、と、嘲笑混じりに呟く蛇は、すこしだけ寂しそうだった。

デジレがアンダーボスであると知っているのは、現ボスのサウル=B=インノチェンティのみである。寧ろ普通のアソシエーテは、アンダーボスがいるという事実さえ知らない者が大半ではなかろうか。あとごく一部の幹部が、デジレがRC所属の幹部である事を知っている、その程度である。勿論ダビデも臨時幹部程度にしか知らなかったのだ。自分がRCに加盟したのは17歳の時、幹部昇進は28の時。アンダーボスに君臨したのは、30歳の時であった。彼は表向きは「隠密」として機動している事となっている。情報が隠蔽できて当然だ、彼には数多の顔があるのだから。世界的大企業の臨時通訳を勤めることもあれば、某国で諜報員をしている時もある、日本の大企業とヤクザを繋いだ事もあったか。そして誰もそれの「掛け持ち」を疑ったりしない。情報の隠蔽だけは何よりも確実に行ってきたからだ。基本的には個人データの抹消ばかりを行ってきたが、「目撃者などいなかった」ということもあったし、自分に接触した人間が「自爆テロに巻き込まれた」こともあった。彼は、ほんとうにいろいろやっていたのだ。ただし特定の一カ所から動くことなど、絶対になかったが。それらの9割を机上で行う、それがデジレという男の恐ろしい所である。もし都合が悪くなったら、サウル老に依頼を出して消して貰えばいい。自分の目的と、己の「本職」を果たすためには汚い事も綺麗事も偽善も何でもやった、筈だった。ジキルという、クソ餓鬼という呼び方が一番似合う男に会うまでは。彼のせいで、彼の作り上げた組織のせいで、自分の優先すべきものが変わってしまったのだ。今では彼等が一番大事で、彼等を最優先に行うような行動ばかりを取った。ケルベロスに所属して5年間もRCに所属だけはしていたが、一度もイタリアに帰ることはなかった。それ程にケルベロスに所属する事に楽しみを覚えていたのだ。彼の昔を知る者は今の彼を見てなんと言うだろうか。まあそんな人間は「二人しかいないのだが」。 

「ここの辺りか…あいつらしいと言えばあいつらしい、かァ。」

訛りの強いイタリア語でそう呟く。目の前には廃墟ビル。その建造物を建造物と呼べた時代、恐らく外壁の役割をしていたであろうコンクリイトの残滓を、高級な革靴で踏んでいく。まるで時間の経過を嫌う彼の性格を表しているかのように、無惨な姿に変わってしまったくだらないものを踏みつけるように、嫌味たらしく、よく響くように踵を鳴らした。恐らくそこにドアがあったであろう箇所に踏み入れようとすると、外の塵溜めの付近からがさりという音が聞こえた。酔っ払いか、そう思いちらりとそちらの方を見やる、瞬間、デジレはそちらへと駆け出した。塵溜めから、明らかに多量の血が流れていたのだ。案の定、屍が転がっていた。それはそれは美しい少女であったが、そこは塵溜め、さしずめ散々弄ばれて棄てられた娼婦だろうか。人形のような愛らしい顔も、モデルのようなすらりと伸びた肢体も、その半分近くが紅色に染まっていた。

「…死亡確認でも、してやるか」

それの腕を持ち上げようとすると、う、とひとつ唸り声。デジレ――否、「ウロボロス」は瞬時に医師の顔に切り替わる。自分の職務を全うせねばと、慌てて彼女を塵溜めから引き出し、平面に寝かせた。

「……[大活躍だねぇ、パンドォラ?]」

鞄を指してそう呼んだのか、重量感のある銀色の鞄を開く。そこには不幸ではなく、医療道具と爆弾が隙間無く綺麗に詰め込まれていた。それの几帳面さを端的に表しているそれからいくつか道具を取り出した。さて彼女を見やり、ふたたびそれは、「いつもの間延びしたアメリカ英語」でぼそりと呟いた。

「…[どこかで見たような気がするなぁー。まぁ、後で調べればいっかぁ。]」

【医者】は、職務を開始した。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「…………あ。思い出した。」

サウル=B=インノチェンティと何気ない通話をしていた時、急にデジレが言い放った。電話の相手がどうしたのかと問うてくる。いやァ、とひとこと呟いて、

「救護班には【重傷人二名】って言っておけ。そういやァあのBambina、フィオナ=グレイスか。あれは今ダヴィドん所にいたんだよなァ?」

それは構わないが、と電子音が話す。そこから何か続きを言いたそうであったが、デジレの「わかったッつンなら、だがもクソもねェだろォが」という強烈な一言で強制的に会話を切られてしまった。この男は医療従事者として、よくわからないプライド、寧ろ執着というのが相応しいだろうか、そのような節があった。どんな敵であれ怪我を目視してしまえば手を出せない、その癖になにも見えなければどんな冷酷な事もこなせた。よくわからない、周囲からはよくそう言われた。そう、よくわからなければわからないほど、デジレには都合が良かった。会話が途切れ、沈黙を破るように、デジレがところでと話しかける。

「デルシオネ!お前あいつをどう育てやがったんだよォ…危うく私、殺されるところだったんだぜェ?」

そう、オットマールと男二人ぶらり旅をしていた矢先に、攻撃されたのだ。この「アンダーボス」が。それに怒っているらしい、電話先の相手にぐちぐちと訛りの強いイタリア語で文句を吐き続けた。するとサウル老の纏わりつくような嫌味ったらしい高笑いが耳元で響く。

「元はと言えばデジレ、貴公が先に手を出したと聞いているが?」

情報は異常な程早く、ボスに行き渡っていた。この好々爺はいつだって、どこかで監視でもしているのかという程に正確に、瞬時に遠方の情報を仕入れていた。そこがこの組織の最大の武器、乃至最大の盾である。この男は飄々と、そして頑丈に周囲を固めているのだろう。くつくつと聞こえる電子音があまりにも不快で、男はふてくされたように言い訳をする。

「…何もしなかったら私が【友人達】に疑われちまうだろォが。」
「それはそうだ!ははは、それもそうだな!身内と知らずに攻撃したデルシオネも愚かよ!情報総括が情報を得られなかった!とても!とても面白い!」
「…私は表にはあまり出られねェからなァ。知らねェのも当然だろォよ」
「まあそれ以前に、【アンダーボスは先代が死してから存在していない】、【幹部は総会に出ている人間のみ】と、この私自身が、皆に教え込んでいるのだからな。」

現在のアソシエーテはサウル老が拾ってきた、乃至サウル老を信用し切っている人間が多い。よって組織全体がそれの発言を信じてしまうのだ。サウル老が、呼吸をするかのように、嘘をすらりと吐く。寧ろ身体に血が流れているというのと同等に、それはとても当たり前に、自然に行われているのだ。そしてその嘘は、無駄なくそして緻密であり、高い信憑性を持つため、皆騙されてしまうのである。その男の腹の内を知る者は極少数、そのうちの一人がこの「デジレ=ドゥシャン」であった。

「いや、楽しい話が聞けて楽しかったよ。ではまた本部でお逢いしようじゃないか、デジレ。」

その事なんだが、と、デジレが切り出す。その様子があまりにも真剣で、サウル老も耳を傾けた。

「ちょォーっと今日から1週間くらいフランスにでも行って休暇取ってろよォ。【楽しいことが起こるらしいぜ】?」

沈黙、後に、ははは、と、耳に障る高笑い。解った、と言い、別れの挨拶、デジレも別れの挨拶をして、通話を終えた。耳に残るあの高笑い。そう、私はそのために、アンダーボスなどという高い地位に就いたのだ。厭な事は沢山あった。

「…………ごめんね、ジキル。」

多数の爆弾を所持していた事から、何をするのかというのは大体は解っていた。そしてハイドにしか解らないような暗号を作れというよくわからない指示も、それを示唆していたのだろう。

「[でもぉー、今それをやられちゃったらぁー、僕が一番困るんだよねぇー]。」

今それをさせるわけにはいかなかった、ウロボロスの目的の為に。そう、最初からこの男の目的はひとつしかなかったのだ。そのために数多くを巻き込んで、そのためにいくつもの仮面を被り、ここまで上り詰めてきたのだ。別に他の犠牲はどうでもいい、目の前にいる怪我人だけが、自分の許容範囲である。その爆風で他の塵共がいなくなればそれで良し。寧ろ目的の為の行動がし易くなるやも知れない。それにジキルは止めて言う事を聞くような奴ではなかったし、と、あとづけのように、止められなかった自分への言い訳のように、心の中で反芻する。彼が今持つものは、【医者としての執念】と、【自分の目的を果たす事】、その2点だけであった。そしてそれはケルベロスのためにもなった、だから彼が持つ者は本来3点なのかも知れない。もしかしたら彼自身に自分がウロボロスだと無理矢理認識させる為にケルベロスに所属していたのかも知れない。だとすると、2点である事に変わりはない。その2つの執着だけが今のそれを動かしている、それだけは確実だった。

「[休暇届…出した方がいいのかなぁー…?相手はジキルだし、口頭じゃダメかなぁー。……ま、どっちでもいっかぁー。]」




くすくす、という笑い声が、夜の海に沈んでいって



「ドゥシャンの御家に誉れあれ。


   インノチェンティに祟りあれ。」


ぬるりと浮かぶ双頭のオルトロスが、夜の海から緑色の瞳を覗かせた。




   【それはきっと、双頭の狗に食われた蛇の物語】




**************************



^q^^q^^q^^q^

フィオたん応急処置と、DDのお話をもりもりと盛り込んでみましt
っていうかフィオたん長々と放置してるけど辛うじて生きてたって事にしといて!しといて!!!!←←←←←←
でもハスキーさん救出?からそうは時間経ってないと思うし、距離もそうないと思うので、きっと生きている筈だきっとそうだ。いざとなったら究極魔法パラレルだ。←←←←←←←←←



ほそくみたいな:

DDはRCから派遣されたスパイというわけではありません。
RCの仕事はあくまでも「副業のひとつ」程度にしかやっておりません。
ただしCS側にはその事は一切口に出しておりません。ていうか訊かれませんから話しませんでしたっていう最悪パターン。←←←←←←←←←
「本業」であるCSの仕事(乃至医療事業)を最優先とし、余力があれば他の依頼も受け付ける、というスタイルを貫いております。隊長への報告では「個人的な依頼」として片付けております。依頼主は大体偽名を使ったサウルです。またはダビデです。
ダビデの机上にあった人物データはデル君から出力してもらったものが大多数ですが、一部はデジレに頼んでいます。余程深い事情を探りたい時に使用していました。きっとフィオたんもそれです。なにこれただのストーカーじゃん。

DDのアンダーボス(UB)としての役割は、外部の情報の入力・外部へ漏れた情報の隠蔽・情報操作・酷い場合は情報操作による組織どうしの潰し合いが主な仕事です。ただしあまりに面倒だと放置して「こうなったらGESSが楽しいんじゃね?」とでも言って適当にはぐらかしたりします。完全に遊んどる…^q^
ただCSに入ってくる、ハイドんから貰ったデータとかは消したり隠したりしてません。だって最優先事項がCSだもーん。←←←

「本業」というのはCSの仕事、というのはRC内の誰にも喋っておりません。ていうかRC内で喋れるのなんてダビデかサウルしかいなかった。^q^←←←←←←←←←
嘘八百で「孤児院」とは言っておりますが、今回の件でバレる事でしょう。でもCSの【友人達】に手出しはさせません、絶対に。ここがUBの便利な所です。←←←←←←←←
勿論デジレって名前も偽名です。本名は英語です。

あと、デジレの最終目的は「インノチェンティに祟りあれ」ですw
あとあと、何でデジレがダビデの幼少期呼ばれてた「ダヴィド」という呼び方をしているのか、何でダヴィドがデジレにだけ敬語で一人称私(わたくし)呼びなのかは追々ww書きたかったけど書く時間なかったんや…^q^←←←←←←←←←←←←←←←

ヒントは以前までに描いていた漫画モドキで一部ちりばめてたよ!っていうか一カ所わりかし明らかなところがあるよ!わかりにくいかもだけd←←←←←←←←←

……………実はこれがやりたくって、ハスキーさんに眼球くらいごりっともってってーってアプローチした節があります、ごめーんね☆←←←←←←←←←←←


このあとの行動は、ひとまず診療所に帰還してハスキーさんのナイフの撤去作業に入りますwwww
誰か回収にきてもいいのよ///その時は髪型は一本結びに戻してますwハットは被って帰ってきますw


これにて一旦は、D.D.:ウロボロスのお話は終了です。
…もし時間が赦すならもいっぽん書けたらいいけど、どうかなあ…^q^wwww



※D.D.の方針変更について

これにより、CS解散後のウロボロスは、名称:D.D.(デジレ=ドゥシャン)となり、
所属はRCに変更、地位は「幹部」となります。UBではございません。
RCに来ての仕事は、ダビデが完全回復するまでダはビデの代役です。ダビデよりも書類仕事をし、ダビデよりも外出仕事をしなくなります。態度は真逆と思っていいよ!←←←←←←
もしCSが再結集する場合はそちらを最優先させて頂きます。そのときは名称をD.D.(デボイア=デュー)に戻し、RCから退きます。