こんばんは、Linです。

 先日このブログで、来シーズンのオファーを待っているという趣旨の発言をしました。


 割と色々な方面から色んなことを訊かれました。
「あれだけ好きだった町田は?」「このタイミングでどうした?」「サポ絡みでなんかあった?」などなど。

 そこで、一通りの理由や経緯は説明はしておこうと思います。

 大前提として、僕はFC町田ゼルビアというクラブを嫌いになったわけではありません。むしろクラブ自体は年々愛が強くなっています。

 先日の記事でも触れましたが、昨シーズンの最終節がターニングポイントだったんですよ。最も大きなきっかけは最終節、ホーム最終戦後のセレモニーの時でした。

 一昨シーズンの1年間、ゼルビアがステップアップしようとしているJ1の舞台を体感したい、そしてゼルビアに何かを還元したいという思いから、ゼルビアを観ながら大宮のゴール裏にかなり顔を出しました。降格という憂き目こそ見たものの、個人的にはトップステージを肌で感じることができ、大きな収穫がありました。

 そして昨シーズン1年間、望外の優勝争いを展開し、首位が見えて来た夏前から大きな変化が始まっていました。その中でクラブは目標を6位以内と掲げており、まだ誰も優勝ということを口にはしていなかった時です。

 一戦一戦を着実に戦い、J1ライセンス取得のためにクラブが訴えかける中で、サポーターとしてできることはないかと考えていました。ツイートで呼びかけたり、色んなことを仕掛けたり。ただ効果が薄く、なかなか思うようにいかないのが実情でした。

 そんな中でJVamortersを立ち上げることになり、他サポと交流する機会が増えたんですね。ここから一気に色んなことが変化しました。

 1年間、大宮で学んだことや感じたこと以上に、Jバモ繋がりで他クラブのゴール裏に顔を出すと多くのことを学び、知る機会が増えました。更には多くの他サポを呼ぶことができるようになったため、実際にゴール裏で一緒に応援してもらい、感想を聞いてみることもありました。

 結局、あるマリノスサポを半分ゼルビアサポに染め上げ、終いには松本や岡山や愛媛まで一緒に遠征に行くほどにまでなりました。もっと言えば、昨シーズンの7月以降だけで15人ほどはゴール裏に来てもらったと思います。

 その中で、J1を目指すクラブとしてサポーターはどうなのか?という部分では、自分も含めてまだまだ意識が甘いのかなと思ってくるようになりました。

 そんな中、松本、岐阜と連勝し、8月の終わりに遂に首位に立ちました。そして選手や監督の口から明確に、「目標は優勝」と上方修正の言葉が発せられ、以降サポーターも優勝を目指して、頂を目指してという言葉が出るようになりました。

 だからこそ、あの8月を境に、クラブに対してより厳しい目を向けるようになりました。6位以内ではなく優勝という目標を掲げた以上、サポーターとしてもジャッジを厳しくしなければという思いでした。

 ちょうどその頃出会ったある2人の磐田サポが、どれほど周りから批判されてもスタンスを崩さない姿を見て、僕は意を決しました。

 ホーム水戸戦、アウェイ大宮戦、ホーム徳島戦と3試合、僕は非常に厳しいコメントをいくつも発してきたと思います。優勝を目指す、J1を伺うクラブに対して僕たちサポーターが出来ることは、J1の目線でチームを見ること、サポーターもJ1のレベルでチームを見ることだという答えでした。

 そしてホーム山形戦の直前、サイバーエージェントによるクラブ買収が報道され、ここで大きくクラブが変わる時が来ました。この試合のドローという結果や内容に対しても厳しいコメントをしましたが、サイバーエージェントという大きな企業がクラブに価値を見出してくれたが故の、尚更に強い思いだったと自認してます。

 しかし周囲のサポーターとはなかなかスタンスが異なり、「チームが今あることが大事」「選手は頑張ってる」「この環境でもこれだけ戦ってくれてる」「毎試合毎試合気持ちを見せてくれてる」という言葉で片付けられ、僕の言葉はチームへの忠誠心を欠き、サポーターの団結に水を差すものとして強い批判を浴び続けました。

 それでも、あの2人が磐田で周りを変え始めたように、続けていれば俺の考えや危機感を周りも理解し始めるだろう、今どんな姿勢でチームに向き合うことが大事かわかってくれると信じて言葉を止めませんでした。

 ドローに終わった自力優勝を逃した讃岐戦後のコメントは、それだけに物凄く怒りや哀しみ、虚しさの入り混じったものとなりました。冷静に見ても酷い試合だったのと、ここに来て落とせない試合で落としたという事実に、並々ならぬ苛立ちと絶望感がありました。

 なんとか望みを繋いで迎えた最終節、結局ドローで試合は終わり、最後に点を取っていれば優勝していたところで頂点を逃しました。あの瞬間の感情は、昨日のように覚えています。2012年の屈辱の湘南戦よりも、2015年の武相決戦に敗れた直後よりも、ぬか喜びに終わった長野戦よりも、辛いという感情が湧きました。

 そして号泣する中で、僕の周りは、なぜそんなに泣くのかという白い視線を向け続けました。選手たちは頑張った、4位なんて凄い成績だ、なのにどうしてそんなに号泣する必要があるのか?おかしいんじゃないか?と。

 ここで、僕の気持ちが切れました。1年間張り詰めていた情熱の糸が、ここで一瞬にして切れてしまったんです。その後も、来シーズンこそ優勝!などと口にはしながら、徐々に違和感を感じるようになって来ました。

 優勝、昇格圏内を目標に掲げても、選手は頑張ってるから、気持ちを見せてるから、そういった言葉で括られて完結してしまう、そしてそれが普通になってしまうのが自然だった、その事実にやはりサポーターとしての自分の価値観や熱の向けるベクトルが、どうしても周囲の大多数とは合わないと感じてしまったんです。

 もっと言えば、ゼルビアは具体的目標に向けてというより、気持ちを見せている選手やクラブに協賛の声を与えることが正しい場所でした。これは決して悪ではなく、批判されることでもなく、一つの形として存在するサポーター観です。しかしここがそういう場所だと気づくまでに、長い時間がかかりました。

 それこそ今シーズンの開幕戦、柏戦と現地に出向きましたし、ゴール裏に行きましたが、どうしても昨シーズンまでのような情熱を向けることが難しくなってしまったんです。

 愛する気持ちは変わらずとも、どこかでズルズルと達観した目線で、あーまた負けたかくらいの気持ちになってしまう自分がいました。そんな自分が非常に腹立たしく、虚しいと思うようになったんですよね。

 だからこそ、今年一年はゼルビア含め、あちこちのゴール裏に出向き、来シーズン以降の己の行き場、情熱を向ける場所を探したいと思うようになったんです。

 もちろんゼルビアに残る可能性も十分にあります。それなりの確率であり得る話です。外の世界を見て来た上で、「やっぱりゼルビアが一番」と感じることがあれば、それは勿論ありえると思ってます。

 町田は自分に縁もゆかりもない土地でしたが、それでもここまで情熱を注ぐことが出来るクラブだったことに誇りを持っています。

 そして今ありがたいことに、実際にいくつかのオファーが届いています。既に足を運んだところもいくつかあります。

 光栄なことに、自分に縁がある土地のクラブからもオファーが来ています。これから自分が骨を埋めるくらいの場所がこの中にあるのか、はたまた別の場所にあるのか、あるいはそれがゼルビアなのか、今は全く分かりません。

 どのような決断をするか、それは今シーズンの末に予定されている12月のJVamorters Conferenceにおいて明かすこととなるでしょう。何色のユニを纏っているかは、慎重に検討したいと思います。