「伊藤潤二『コレクション』」
第11話の感想です。
※ネタバレします。
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☆第11話の感想です。
前半は「超自然転校生」。
とある学校に転校生が来る。
「ちょっと変人ぽい」と言われる彼だが・・・。
「束野くーん!」という呼びかけに、
転校生・束野、振り向く。
あっ・・・この顔・・・やばい感じがする・・・。
何がどうとは言えないが、
目が危ない感じだ・・・。
柴山(CV細谷さん)
「僕は柴山。彼女は細谷(ほそたに)君」
ん?
なんだって?
細谷さんが柴山で細谷さん声の柴山の
隣にいる彼女が細谷じゃなくて細谷だって?
なんだって??
はやくも怪奇現象か?
・・・まあ、それはいいや。
束野「なんとなく不思議な体験が
出来そうな気がする」
新しい環境にわくわくらしい束野。
しかし、不思議な体験したいのか・・・。
やはりこの人・・・ちょっと・・・アレな・・・。
柴山「ところで僕らは、不思議大好き人間が
集まってグループを作ってるんだ」
細谷「超自然同好会って言うんだけどね」
あっ・・・。
転校生がやばいと思ったが、
在校生も既にやばかった。
そしてアレな者たち同士、意気投合して
束野君は超自然同好会に入るのだが・・・。
柴山は「超能力者」を自称するし、
束野は学校で目玉のついた花を見つけるし、
同好会メンバーの北川はそれを見て
「地縛霊が花に乗り移って」とか普通に言いだすし、
なんだこれ、やばい。
束野「すごいな、この街!楽しみだな~。
らん、らん、ららん♪」
やばい。
初っ端から全ての登場人物についていけない。
逃げ場がない。
やばい。
だが、こんなものは序章に過ぎなかった・・・。
束野の信じてるのか疑ってるのか分からない
天然風の超能力者煽り!
何故か出現する滝!
束野の親切なのか謀ってるのか分からない
天然風の超能力者煽り!
手からビーム!!
落ちる鳥さん!!
束野の煽り!
なんだこれやばい・・・。
世界もやばいし、
束野もやばい・・・。
この転校生はやばい奴だ・・・。
と思っていたら、
加速するやばさ!
湖にゴジラ!
水死体となって黄泉がえりビームの柴山!
家がモアイ!
突然に殺人事件の解決!
そして、能力バトル!!
世界と束野がやばいと思ったら、
作風すらやばくなった!!
なんだよ、家がモアイって!!
なんで唐突にバトル物になってるんだよ!!
夜中に笑い死ぬかと思った!!
もう何もかもが滅茶苦茶になって
北川が怪奇ワールドにノリノリになって、
テンション最高潮になった、その時。
北川「束野君!
俺は君の作りだした怪奇ワールドが
気に入ったぜ!
これからどんどんこの街を
楽しくしようじゃないか!
お互いにさぁ!!」
真相を暴かれ、本性を剥き出しにし、
狂気のままハイテンションで
束野に語りかける超能力者北川!
だが、
束野「ごめんよ、北川君。
君の期待には添えないよ、残念だけど」
だが断る。
ここまで怪奇ワールドを作りだしておいて、
だが断るw
ラスボス風の風格で、
ドスのきいた声で、
だが断る・・・して
束野君がやったのは、
転校。
また転校しました。
最高www
もう滅茶苦茶なんだけど滅茶苦茶だから
滅茶苦茶最高www
特に最後、これだけ不思議を叩きつけておいて、
束野が最後にとった手段が、
「転校」
という普通の事柄なのが、
なんかもうツボ。
爆笑しました。
もうホラーだかコメディだかなんだか
さっぱりだけど、爆笑しました。
こういうの大好きです。
あと、天然なのか計算なのか、
正気なのか狂気なのか、
絶妙に捉えどころのない束野のキャラ。
梶さんの演技、最高だと思いました。
後半は「案山子」。
父親に結婚を認められず、自殺した由紀。
恋人だった男性は由紀の墓参りに来るが、
そこでも父親が追い払ってしまう。
この時、父親が男性を追い払うために
墓前に刺した案山子。
数日後、その案山子の顔が由紀そっくりになり、
父親は由紀が案山子となって戻ってきたと
喜ぶのだった・・・
父親が由紀の恋人を追い払うために
「いたち野郎!」と叫んで
墓前に案山子を刺した場面は
!?
となって、シュールさに思わず笑いましたが・・・
その後まで観ると・・・・・・。
動かない、話さない、何の反応もない。
そんな案山子でもいいから故人に会いたいと
願う人々の思いが溢れていて・・・
なんだか「緩やかな別れ」と同じような
切なさを感じました。
由紀の案山子と恋人のその後も。
「案山子」というのは本来、
鳥や何かを追い払うためのものですが、
この案山子は連れて行くものなんですね・・・。
愛する者や、憎む者を連れて行く。
動かない、話さない、立っているだけのはずの
案山子が連れて行く・・・。
どれだけの思いが裏にあるのかと思うと・・・
やはり切ないような気持ちになります。
それから、
由紀と恋人がようやっと認められたのが
二人の死後であるということ。
これも切ないなあと思いました。
こちらはしんみりと悲しくなる、
胸に残るような話でした。
次が最終話かー・・・。
正直、もっと続いて欲しい・・・。