「伊藤潤二『コレクション』」
第6話の感想です。
まだ7話観てない!
早く観ないと・・・。
※ネタバレします。
◎「伊藤潤二『コレクション』」
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☆第6話の感想です。
時々、ホラー作品に対して
「投げっぱなし」とか「オチがない」とかいう
批判を見かけます。
確かに、ホラーは他ジャンルに比べ、
明快な結末というものがある作品は
少ないのではないかと思います。
が、
個人的にはホラーは「恐怖」が主眼であって、
「解決」が主眼ではないと思うのです。
恐怖というものは、
「理解出来ないから怖い」
「対処出来ないから怖い」
という要素が大きいものです。
そのため「解決」を最重要視すると、
ホラー本来の醍醐味を欠く場合が
多くなってしまうのではないかと思われます。
なので、「投げっぱなし」だと見えようと、
「オチがない」と思われようと、
恐怖がそこに描かれているならば、
それはホラーとして・・・・・・
ところで、
今回の前半の話、
投げっぱなしじゃない?
という印象を持ちました。
長々語っといてすいません。
あ、でも、上のは本当にそう思ってます。
ただ、今回の前半の話が
あまりにも「続きは!?」という気持ちに
させられてしまったため、
このような暴挙に出ました。
反省はしてません。
隣の何故かちょっと可愛くみえてくる
女性がなんなのか。
坊ちゃんの日常はどうなるのか。
続きが知りたいです。
あの窓はきっと突貫工事でなんとかしたんだよ。
最近のリフォーム業者は凄いな。
あ、でも、こういうのも嫌いじゃない。
あと、隣の女性がかわいい。
くじゅううう。
後半は「緩やかな別れ」。
感覚や感情を色々に刺激される
おもしろい作品だったと思います。
が、その前に。
あの・・・。
あれ・・・。
ちょっと作為的なものを感じてしまって・・・。
あれは狙い過ぎでしょう。
図り過ぎでしょう。
あのキャスティングw
どう考えてもアレを言わねばなるまい。
「誠、SHINEEEEE!!!」
・・・はあ、ちょっと落ち着いた。
どう考えても「これを言うんだぞ」というフリだと思った。
やっぱり反省はしていない。
以下、激しくネタバレしますので、
要注意です。
内容に関してですが。
とても興味を引く、余韻が後々まで残る、
独特の魅力に溢れた作品だと思いました。
が、しかし。
観てから何度も思い返しては
考えたりしているんですが、
どういう風に捉えたらいいのか、
自分の中で全然定まりません。
いや、定める必要はないのかもしれないけれど。
でも、単純に感動したい気持ちと、
切ない気持ちと、
どこか反発を覚える気持ちが
混在していてぐちゃぐちゃする。
故人に会いたい。
身内の死を受け止める時間が欲しい。
誰もが抱くその思いを中心に見ると
強い共感を抱きます。
高齢で天寿を全うした人間が対象ならば、
あったらいいなと思う現象だと思います。
しかし一方で、夭逝した場合は。
別れの時間が伸びたとしても、
それは本当に互いにとって良いことなのだろうか。
徒に悲しみの時間を延ばすだけなのではないか。
また、生きている人間の
新しい一歩を踏み出すタイミングを
奪っていることになりはしないだろうか。
そんな風に
ぐちゃぐちゃした思いが渦巻き、
落としどころが見つかりません。
・・・そういうところを楽しむ作品だと思うけど。
でも、ああ、ぐちゃぐちゃするー・・・。
あと。
誠と璃子についても。
誠の行動を仕方ないと思いつつ、
しかし、それでも許せないと思う。
誠にも人生があり、
年齢というものもあり、
それから彼自身の「残像」に対する
「別れの時間を充実させるもの」
という価値観を鑑みれば
あの行動も・・・・・・
いや・・・
璃子が納得しても私はしませんよ!
お前、自分が決めて勝手に残像にしたのに
期限も待てずにあれかよ!
しかも開き直る!
殴る!
許さねえ・・・。
ナイスボートしてやる・・・。
中に誰もいませんよー!(透けてるから)
そういえば。
誠は
「残像は生きている人間の錯覚」
「こちらの予測の範囲でしか行動しない存在」
と言っていましたが、
あれは本当なのでしょうか。
最後まで観ると、
どうも事実でないように思えてなりません。
残像には完全に自我が残っているような・・・。
そう思うとまた切ない・・・。
最後。
父の元に戻った璃子。
あれがまたいいような辛いような、
そんな終わりで・・・
ああーぐちゃぐちゃする。
けれど、切なく辛く、心に残る、
良い話だったと思います。