書いて放置したまま忘れてた・・・。

「蟲師 続章」第十話の感想です。


※ネタバレします。

◎「蟲師 続章」
蟲音 続/アニプレックス
¥3,240
Amazon.co.jp


☆第十話「冬の底」の感想です。

もうすぐ春が訪れるはずの山で、
冬に閉じ込められたギンコ。
歩いても歩いても雪山から出ることが出来ず、
ギンコはヌシが山を閉じているのだと気付く。



特に何かが始まり何かが終わったわけでもない。
ギンコがただ山で歩いていただけ。
山が生きていただけ。
ただそれだけの静かな話でした。

しかし、その静けさが妙に染み入ってくる
不思議な話でもありました。

しんしんと降り積もる雪。
波一つ立てない沼。
無音の沼底で冬眠する生き物たち。
舞い上がっていく光酒の泡。
緑萌える春。

何もかもがじわりと心に染み入ってくる。
画面の静けさと同じように、
静謐な感動を与えてくれる。

そんな不思議な話でした。
この雰囲気、とても好きです。


ただ、何も起きないとはいっても、
ギンコにはそれなりに災難が降りかかっていました。

雪山から出られず。
ヌシに沼底に沈められ。
気付いたら春だ。
あ、大事な光酒が盗まれてる!
・・・ま、いいか。

蟲師というのはいつでも死の危険と隣り合わせで
大変ですね。
そりゃ胆力も鍛えられるってもんです。
冬山で永遠の迷子になっても
冷静に打開策を考えられるってもんです。
底なし沼に嵌っても泣き叫ばないってもんです。
沼の底で春まで冬眠させられても
動じないってもんです。

ま、今回は大体、ヌシさんのせいでしたけどね!

・・・あのヌシさん、
一言も発しなかったのに面白いキャラでしたね。

最初ギンコが見つけた時は、
あ、小っちゃいヌシさんだ!
亀さんだ!かわいい!!
とか思ったのに、

次の瞬間には蟲を集めて
ギンコを底なし沼に引き摺り込む。
うわ。
ヌシさん、怖い!

かと思ったら、
実は山自体が死にかけているなかで、
獣たちを沼底に避難させて安全に冬眠させていたんだよ。
ヌシさん、流石はヌシ!
ギンコも仲間に入れてくれるとか、
ありがた迷惑だけど優しい懐深い!

なんて感動しかけたら、
本当はギンコの持っている光酒が欲しかったんだよ。
最初からギンコに対しての罠だったんだよ。
光酒は頂いた。
その代り山からは無事に出してあげるよ。

・・・う~ん。
好感度が上がったり下がったりまた上がったり(笑)
目まぐるしく印象を変えた挙句、
結局終わりごろにはギンコと同じく
「まあいいか」
と思わされるこの手腕。
この老獪さ。
亀さん、流石に万年は生きる賢者。
うーん、凄い。

ヌシさんのタヌキっぷりに唸らされました。
亀だけど狸!

そんなところも面白い話でした。




・・・で。
次は秋ですか?
え?夏に特別編が?
ネット配信はあるんでしょうねえ・・・。

何だか色々と不安ですが、
ともかく続きを楽しみに待っています。