「新クロサギ」17巻の感想です。
※ネタバレします。
◎「新クロサギ 17」
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この巻には、
結婚をちらつかせて相手から金を取る、いわゆる
「結婚詐欺」と、「一生に一度のブライダル」という
意識を利用した詐欺(?)と、「少子化は問題」という
意識を利用して投資を募る詐欺等、結婚に関する
様々な詐欺を扱った「ブライダル詐欺」の完結編。
企業などの経営に対する分析、アドバイスを行う
コンサルタントという立場を利用して金を取る
「コンサルタント詐欺」。
そして、企業の厚生年金を運用しての高い利回りを
確約しつつ、その内情は実は破綻しているといった
「年金運用詐欺」の触りだけ。
こんな内容が収録されていました。
まずは「ブライダル詐欺」。
ここでは、普通の「結婚詐欺」や、「一生に一度の
ブライダル」という特別感を利用した式場の詐欺的手法、
そして、若者の未婚化、少子化を憂慮する層を
ターゲットにブライダル事業に投資させると
みせかけて投資金を騙し取る詐欺など、
結婚に関する詐欺が幾つか扱われていました。
結婚詐欺。
恐らくかなり昔からある古典的な詐欺の一つだと
思いますが、最近の「婚活ブーム」に支えられ、
結婚詐欺もやりやすくなっているというのに驚きました。
が、そうですよね。
結婚詐欺師の視点で考えてみれば、
婚活パーティーや婚活サイトなど、
結婚を望んでいて、しかも素性(特に収入関係)まで
まるわかりの場所は、まさに「釣り堀」ですよね。
は~、なるほど~。
どこにでも悪い考えの人はいるものだと
警戒しなくてはならないんですね~。
「婚活」なんていう華やかなイメージのある
ブームの裏でそんなことが起こってるとは・・・。
考え付きもしませんでした。
いやはや、恐ろしい。
どこに穴があるか分からない。
もうお外出ない!
婚活どころか人付き合いもほぼないけど!
えーと。
あと、「一生に一度のブライダル」なので
「多少の予算オーバーも仕方ない」という意識を利用した、
結婚式場の詐欺的手法もちらっと紹介されていて、
それにも驚きました。
式場のプラン選び相談の時に、さり気なくワンランク上の
パンフレットを目に付くところに置いておく。
料金は2割増しと、少しキツいけど十分手が届く範囲。
とみせかけて、いざワンランクアップすると、
酒類が別料金だの引き出物が高級品しか選べない
だので、結局大幅に価格アップ!
は~・・・。
これは詐欺・・・とはいえないかもしれないけれど、
普通にビジネスの手法の一つなのかもしれないけれど、
それにしても小狡い手ですね!
でも考えてみると、こういうビジネスの手法は
世の中のあちらこちらで見かけるような・・・。
いやはや、恐ろしい。
もうお外でない!
式場なんてこれっぽっちも縁がないけど!
更に、少子化、未婚化な今こそ結婚が重要!
という意識を利用して投資を募り、金を騙し取る
いつもの投資詐欺に至っては・・・。
もうおそとでない!!
投資する金もないけど!!
などと、とにかく世の中が怖くなりました。
しかし、このストーリーの中に登場する結婚詐欺師で、
別のシロサギや黒崎君にいいいように使われただけの
日向さんは、もっと世の中に恐怖した方がいいと思います。
明らかに怪しい話なのに、上機嫌で騙され、
そして操られて警察行き・・・でも、ま、いっか!
みたいな態度。
なんていうか・・・もうちょっと・・・こうさあ・・・。
「コンサルタント詐欺」。
これはブライダル詐欺で冷え切った私の心を、
更に凍りつかせるのに十分な内容でした。
詐欺の手法云々を除いたストーリー展開では、
黒崎君がついに宝条さんの大切な一角に手をかけ、
泥棒までするハラハラな熱い方面の展開だったのですが、
そんなことよりとにかく詐欺が怖い。
父親から生前贈与されたビルの贈与税をなんとかしたい、
という黒崎君扮する馬鹿坊ちゃんに対して、
コンサルタント業者(宝条さんの配下)が優しく導きます。
破滅までね!
とにかく事情によりビルを手に入れたいコンサルタント業者。
坊ちゃんの相談をし、助けるふりを装って、笑顔で、
ビルを担保にしての融資を勧め、
返済が滞れば他のビルを担保にしての融資を勧め、
そして不動産転がしも進め、
返済不能になるように、
担保を抑えられるように、
常にやさしくやさしくやさし~~~く誘導。
うう、怖いよ。
そして、家庭ではいいパパ、いい夫。
うう、更に怖いよ。
「一つ目の融資の返済を不可能にすれば、
融資を行ったひまわり銀行が担保を押さえられる・・・!」
じゃないよ、怖いよ。
「担保止め」とかいう銀行の手法も怖いよ。
もう何もかも怖いよ。
もう最近では私の中では
「銀行は悪の組織」
として完全に刷り込まれています。
こわい。
ぎんこう、こわい。
ついでにひまわりもこわい。
・・・そんな感じで。
とにかく世の中の恐ろしさと銀行の恐ろしさに
心が凍えきった17巻でした。
あ。
最後の年金運用詐欺は、まだほんの序盤も序盤なので
全く分かりません。
分かりませんが・・・これってどう考えても「AIJ投資顧問」の
あの件ですよね・・・。
あの事件にはちょっと興味があったので、
次巻が楽しみです。
あ、そうそう。
そういえば、打倒宝条!としてタッグを組んでる(?)
黒崎君と犬伏さんですが、
その犬伏さんがエリートのツテを活かして
協力を仰いだ人が、
更に別の人に協力を仰いで、人を紹介されたんですが、
それがなんと神志名さんでした!
おっとこれは・・・。
なんか最近、黒崎君と氷柱ちゃんじゃなくて、
黒崎君と神志名さんに運命を感じる・・・・・・。