ずーっと前に読んで感想を書いて放置してました。
まあ、いいじゃないか。
「ガラスの仮面」49巻の感想です。
※ネタバレします。
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紅天女の試演の舞台「シアターX」。
そこは駅だった場所を取り壊し中の廃墟だった。
崩れかけた建物や廃材が転がる地面。
日に日に目の見えなくなる亜弓は、
胸の内に不安と恐怖を抱く。
一方、ライバルのマヤは廃墟の様に
「ごっこ遊び」のようだとはしゃいでいた。
今の亜弓さんには物凄く不利な舞台「シアターX」。
壊れかけた駅舎や、
穴だらけのホーム、
コンクリートの塊が転がったままの線路。
ただでさえ生活に不安のある亜弓さんですから、
この舞台で演じるのはほぼ無謀というものです。
ですが。
やらないわけにはいかぬ!
ていうか、やるという選択肢しか存在しない!
ということで、彼女は夜に一人、
壊れかけのホームで懸命に物の場所を覚えます。
(あ、一人だけれど何故かハミルさんもいます。
こいつ半ばストー・・・まあ、いいや)
いつも思いますが、彼女の努力の凄まじさには、
感動するというか尊敬の念を抱くというか、
多少恐怖・・・畏怖?すら覚えるほどです。
本当に凄まじい人だと思います。
ハミルさんが惹きつけられるのも当然だと思います。
(しかし常にじっと見つめているハミルさんは
こいつ本当にストー・・・まあ、いいや)
とにかく、目の不自由な亜弓さんの不屈の精神には
いつもながら感動しました。
で。
その亜弓さんのライバルの方ですが・・・。
こっちは・・・・・・。
その・・・・・・・・・。
相変わらず恋愛トラブル真っただ中よ!
芝居より恋愛関係よ!
ドロドロよ!
てな感じで・・・。
お前も試演に一生懸命になれよ・・・と
思ったりもしないではないですが、
恋が重要な演技の要素だから仕方ないと思いつつ、
しかし亜弓さんのことを思うと複雑な気分になり、
それでもマヤに関しては恋愛が一番気になるところ
だったりして・・・。
とにかく、恋愛関係がとらぶるとらぶる、
とらぶるだーくねすでどろどろでした。
まあ、マヤ自身がドロドロというよりも
紫織さんと真澄様がドロドロだったんですけどね。
真澄の本当の心を知り、
はっきりと婚約解消を言い渡された紫織。
その直後から彼女の精神は狂気に侵される。
紫のバラを取り寄せ、花びらを引き千切り、
「枯れてしまえばいい」と呟き続ける毎日。
家族のことも全く分からず、
愛した真澄の言葉も耳に届かず、
ただただ紫のバラに憎悪と殺意をぶつける紫織。
そして、彼女の狂気はますます暴走し、
ついには家に火をつけ池に入水を・・・
紫織様、かっとしばしますね!
あはははは!!
って笑いごとじゃないけど!
いやー病んで大変なことになるとは思ってましたけど、
ここまで大変になるとは思ってませんでした。
紫のバラとマヤの写真に火をつけ、家が火災に!
炎の中で笑い狂う紫織さん!
見なさい、マヤ!
これが本物の「八百屋お七」の狂気よ!
紫のバラと共に庭の池に入水!
水に散ったバラの中に仰向けに浮かぶ紫織さん!
見なさい、マヤ!
これがかの有名なオフィーリアよ!
事情はかなり違うけど!
ページを捲るたびにこんなセリフが脳内で飛び交い、
もう笑いが止められませんでした。
ごめんなさい紫織さん・・・。
えーと。
まあ、こんな状況ですので、
真澄は責任を感じて紫織の側を離れることが
出来ません。
そのうえ孫娘を溺愛している鷹宮会長が、
紫織を救うために何度も何度も最後は手をついてまで
結婚を懇願するので困り果てます。
マヤへの想いと紫織への罪悪感の間で苦悩する真澄。
その間も暴走を続ける紫織の狂気。
結婚結婚と囀り続ける鷹宮会長。
そしてついに真澄は言った。
「はい(結婚します)」と・・・。
おい!
おいお前!
「すまない、マヤ」じゃないのよ!
お前さー。
確かに紫織さんは可哀想だし大変だし責任もあるよ?
だけどさー、どうしてこうなったかっていうと、
元々はあんたがずっと自分の心を偽っていたから
じゃないの!?
それをまた繰り返すと・・・。
同じ過ちをまた繰り返すと・・・。
それで紫織さんが本当に幸せになれると思うのかっ。
・・・なれたらどうしよう。
ともかく。
真澄は紫織さんへの責任を果たす方を取り、
マヤを捨てる決心をしました。
紫織との結婚が公表されたのを知ったマヤが
問い詰めにきても、「いい退屈しのぎだった」と
白目で言う真澄。
今更そんな言葉をマヤが信じると・・・
「速水さん 信じていたのに・・・うっ うう・・・」
信じちゃったよ!
いや、信じてないよ!
信じてないから信じちゃったよ!
もうわけわかんない!
やっと通じ合ったと思ったら、
すぐに壊れた二人。
そこで、すかさず盛り返そうとする桜小路!
「マヤちゃんに手を出すのはやめてください!」
この言い方・・・速水さんが犯罪臭いよ、桜小路!
大体間違ってはないけど!
「あなたはぼくより大人だ」
「地位も財産も力もある・・・!」
「マヤちゃんは傷ついています」
「ぼくの気持ちも知っていたくせに」
「今度こんなことをしたら ぼくはあなたを許さない・・・!」
憤る桜小路。
若く、実力派とはいえまだまだひよっこ扱いの俳優に、
真正面から説教される大手芸能会社社長!
桜小路君だって「大人」で「地位も財産も力もある」
立派な三十路男にこんなこと言いたくなかろう・・・。
出来ればこんなくだらない説教はしたくなかろう・・・。
そう思うと・・・なんか・・・こう・・・不憫になりました。
がんばれ、桜小路。
それから、もっともっとがんばれ、真澄。
このように、俄かにざわつく真澄とマヤの周囲。
おまけに真澄の影の右腕・聖まで参加して・・・!
「北島マヤはぼくがいただきます
いいですね 真澄さま」
なん・・・だと・・・!?(by真澄)
と思ったら、本当はこれは聖の演技で、
聖は真澄の本当の本心を引き出そうとしたのだと
すぐに判明。
紫織への罪悪感を取り、紫のバラすら捨て、
全てを偽って生きていくと固く決心しても、
どうしてもマヤへの想いを捨てられない真澄。
衝動的に聖を殺害しようとするほどに・・・!
つーか、殺人はダメよ、真澄様!
というか・・・。
聖さんに関しては、マヤ略奪宣言よりも、
その前後の発言に何か不穏な気配を感じました。
小さい頃から真澄を見て育ったから
全ての基本が真澄になったとか。
着るもの、身につけるもの、本、
考えかた、好きな食べ物、好物・・・
真澄の好きなものは全て好きになったとか。
真澄が幸せになることだけが自分の願いとか・・・。
なんか・・・こう・・・怪しい気配がする・・・・・・。
まあ、深くは考えないでおこう。
ともかく。
マヤへの深い深い愛を曝け出され、
半ば強制的にマヤと「紫のバラの人」として会う予定を
聖によって組まれた真澄。
本人はどう思っているかいまいち分かりませんが、
「紫のバラの人」を告白をするつもりになった?真澄と、
月影先生の励ましによって「魂のかたわれ」を信じると
決めたマヤ。
二人は次巻?伊豆で会う予定のようです。
まったく・・・周りを好きなだけ振り回す、
どうしようもない「魂のかたわれ」達だよ。
もうどうすればいいのか。
そんな風に。
とにかくドロドロとしたりぐちゃぐちゃとしたり、
大変な49巻でした。