「GUNSLIGER GIRL」
第十三巻の感想です。
頭がはっきりしなくて日本語が怪しいかもしれません。
※ネタバレします。
◎「GUNSLINGER GIRL 13」
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クローチェ事件の主犯と目されるジャコモ=ダンテ。
現在、そのジャコモがまとめる五共和国派が、
大規模なテロ活動を行って、イタリアを危機に
陥れていた。
前回の社会福祉公社との衝突の折、
義体の殺害方法を知った五共和国派。
今回、建造中の原発を占拠して、
社会福祉公社との全面対決を図る。
クローチェ事件の主犯と言われるジャコモ=ダンテ。
その彼に率いられる、様々な事情を抱えた、
しかし公社への恨みは共通の五共和国派の人々。
一方、クローチェ事件で家族や愛する人を失った
クローチェ兄弟。
その兄弟を始めとして、事件を契機に大切なものを
奪われた人々の集まりである社会福祉公社。
五共和国派への恨みは共通。
今回、この二勢力が全面対決の様相を呈します。
当然、壮絶な戦いになりました。
そして、その戦いの中で、
フラテッロ達の状況や心理も大きく変化しました。
薬物中毒が深刻なまでに進行したヘンリエッタ。
その彼女をリセットし、最低限の情報だけ残した
ロボット兵士とすることを決断したジョゼ。
記憶と感情を失ったようなヘンリエッタは、
あれほど慕っていたジョゼにも淡々とした態度で接し、
ジョゼはそれにある種安堵したような感情を抱く。
そんなジョゼ・ヘンリエッタ組。
「ジャコモと刺し違えるのが俺の望みだ」と言い、
「お前も決死の覚悟で臨め」と告げるジャン。
それに曖昧な表情で沈黙するリコ。
そんなジャン・リコ組。
「私はもうあなたや公社を恨みません」と微笑み、
もし自分の寿命が来ても気に病まないでと
「遺言」を残すトリエラ。
その言葉や、ロベルタとの関係も穏やかに認められ、
どこかたじたじとなるヒルシャー。
そんなヒルシャー・トリエラ組。
それぞれがそれぞれの形、それぞれの心情で
戦場に赴き、またそれぞれに変化していきました。
・・・。
あまり書くとネタバレばかりになってしまうので
後は省きます。
が、今回も、今回は特に、フラテッロ達(主に義体)の
複雑で切ない心情が胸に迫りました。
詳しくは分からないけれど、ジャンの言葉に何か
思うような表情を見せるリコ。
トリエラの穏やかな、悟ったような微笑と、
戦場での覚悟と一瞬見た夢。
人格が失われたように機械的になり、
しかし、最後は暴走してしまったヘンリエッタ。
誰もが心情を分かりやすく口に出したり、
態度に表したりはしないけれど、
誰もが強く感情を伝えてくる。
言葉にはっきりと出来ないような感情が
こちらにも押し寄せてくる。
声にならない悲痛な叫びや、
何故か穏やかな心が見える。
そんな心が波立つ、そして否応なく「終わり」を
予感させる十三巻でした。
次巻の感想も近いうちに書きたいですが、
読むのが楽しみでもあり怖くもあります。