「Fate/Zero」第二十二話の感想です。



※ネタバレします。



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☆第二十二話「この世全ての悪」の感想です。


聖杯の器であり、妻であるアイリスフィールを

攫われた切嗣。

自己の探求と切嗣への執着からアイリスフィールを

攫った綺礼。

全てを否定された雁夜。

そして、ウェイバーとライダー。

それぞれが最終決戦を予感する一日の話。




まだ何も起こっていない静かな夜。

けれど、これから最後の激戦が始まる。

そんな予感を覚えさせる一話でした。


その静かで平穏な夜に、

しかし水面下では色々な変化が起こっていました。


なかでも一番大きな変化があったのは、

ウェイバーとライダーの二人でしょう。


今まで暗示で「自分は孫だ」と信じ込ませ、

ある老夫婦の家に住み着いていたウェイバー。

けれど、今回その暗示が解けていたことが判明しました。

そのことについて老人と屋根の上で語り合い、

騙していたことを責められるどころか「もう少し続けてくれ」と

温かく迎え入れられ、


「人生長生きした後で振り返ってみればな、

命と秤に掛けられるほどの事柄なんて、

結局のところ、一つもありはせんものじゃよ」


と優しく諭されたウェイバー。


決戦に挑む夜に、一つの決意を固めます。

戦場に向かおうとする直前、ライダーに向かい合う

ウェイバー。

そして彼は、マスターとして最後の命令をしました。

「最後まで勝ち抜け」、

「聖杯を掴め」、

「世界を掴め、失敗なんて許さない」

令呪を全て消費してライダーに命令し、

マスターとしての権利を喪失したウェイバー。


・・・なんと!


今まであれだけ拘ってきた

「自分の実力を世間に認めさせる」

という執着を潔く捨てて、ライダーを自由にするなんて!

しかも遥かなる世界に憧れ、世界を征服したいという

ライダーの野望に沿う形で・・・!


ウェイバー!

あんた、でっかくなったね!!

感動した!

あたし、感動したよ!

画面の前でちょっとうるっときたじゃないか!


しかも、もうマスターでもなんでもないウェイバーを、

ライダーが「友」と呼び、「胸を張って堂々と余に比類せよ」と

馬に乗せて一緒に駆けていくところなんて、

ああ、もう、泣かせる気か!

泣かせる気だな!?

いいよ、泣けばいいんでしょ!?

素晴らしい!!

この成長、友情、素晴らしいよ!!



ウェイバーの静かな、しかし大きな成長と、

ライダーの大きさと、

そして二人の親子とも師弟とも友ともつかない熱い絆。

胸が詰まりました。

やっぱりこの二人はこの作品の輝きだと思います。

いい話だった。

まだ終わってないけど。



で、そんな爽やかで熱い良い話に心が満たされた一方で、

汚くて蛆虫な大人達の話もまた進んでいました。


舞弥が死に、アイリスフィールが攫われ、

ハーレム崩壊の危機にある切嗣。

「また一人になったな・・・」と寂しく思います。

・・・。

それから「あ、こいつがいたわ」とセイバーを見て

思い出します。

・・・。

あ、そうなんだ。

頭数に入ってすらいなかったんだ。

いや常々、切嗣にセイバーって必要ないよね?とは

思ってたんだ。あんまり役立ってなかったし。

でも、まさか「意識の中に入ってすらいない」とは

思わなったよ!

びっくりしたよ。

全く存在価値ゼロじゃん、セイバー。

可哀想っていうか・・・なんていうか・・・。

びっくりしたわ。


そんな切嗣に妙な執着を寄せる綺礼。

彼は・・・えーと・・・

「貴方には切嗣のことなんて分からない」、

「切嗣の聖杯への願いは、恒久的世界平和」

とアイリスフィールに言われ、

何故かアイリスフィールを殺害後

「切嗣の目の前で聖杯と理想を打ち砕いてやろう!」

とやる気に満ち溢れ始めます。

・・・えーと?

どういう思考回路なんだ、この人。

切嗣が自分と同じじゃないと気が済まないのかな。

何なの、貴方。

切嗣に何を求めてるの。

ちょっと怖いよ。

いや前からおかしいのは知ってるけど。


それから雁夜さん。

まだ一応生きてはいたらしいです。



そんな感じで。

それぞれがそれぞれの願いや野望を秘めて、

聖杯戦争はこれから大詰めの予感です。




それはともかく。

ウェイバーがいた家のおじいさん。

彼の敗因は、ベランダで妥協しておかなかったことだと

思います。

本当の孫が一緒に天窓の上から朝日を見てくれなかった!

って・・・。

いや、そうでしょう。

あんな急斜面で滑りやすそうな屋根の上で、

真っ暗で見えない夜から朝日を待とうよ!とか言われても・・・。

せめてベランダで妥協してはくれまいか・・・。