「Fate/Zero」第十八話の感想です。
※ネタバレします。
◎「Fate/Zero」
- figma Fate/Zero 衛宮切嗣 (ノンスケールABS&PVC塗装済み可動フィギュア)/Max Factory
- ¥3,800
- Amazon.co.jp
☆第十八話「遠い記憶」の感想です。
南国の島で父と暮らす少年・ケリィ。
父は魔道の研究をし、人付き合いをしないため、
島の人間から疎まれていたが、ケリィ自身は
島の娘・シャーレイの弟分として島に馴染んでいた。
父とは少々距離があるもののそれなりに仲良く暮らし、
父の助手でもあるシャーレイに淡い恋心を抱いて
暮らすケリィ。
しかし、ある日父の研究が重大な事件を引き起こす。
シャーレイ「ケリィはさ、どんな大人になりたいの?」
ケリィ「それは・・・そんなの内緒だよ」
シャーレイ「ふうん。
じゃあ、大人になったケリィが何をするのか、
あたしにこの目で見届けさせてよ。
それまでずっと君の隣にいるから。いい?」
ケリィ「あ・・・(赤面)
か、勝手にしろよ!!」
何だこれ。
誰だお前。
てか、何の作品、これぇ!?
前半はあまりにも空気の違う展開に、
目がしぱしぱして困りました。
あれ、違う作品じゃないかなあ、と思ったことも
一度や二度ではありません。
少々不穏な気配はあるものの、
あまりにも和やかで人間らしい心情描写に、
私の観てきた良心無視の非道な世界は消え去ったのでは
ないかと、とても不安になりました。
ケリィこと切嗣の少年時代も、今の彼とはかけ離れ過ぎて
いて、あの、嫌いな人とは会話しないもん的外道な大人は
夢だったのではないかと恐怖に慄きました。
しかし。
やっぱりfateはfate。
後半は酷い展開でした。
ケリィこと切嗣の父親を島の人間に認めてもらいたいという
一心で、勝手に自分を材料に人体実験に踏み切った
シャーレイ。
その結果、鶏は生きたままに限る!生きた鶏おいしいです!
状態になったシャーレイ。
そして次々と島の人間が吸血鬼デビュー☆を・・・。
最後は村中の家に火がつき、盛り上がりは最高潮に・・・?
まあ、とにかく酷い展開でした。
シャーレイが悪意からではなく、自分の師の素晴らしさを
知ってほしいという、ささやかな、ある面では善意のような
気持ちから、村全体が崩壊するという大きな不幸な
結果へとつながっていく。
その結果を見ておきながら、またシャーレイを助手にして
おきながら、彼女の悲劇に何も思わない父親に、
銃を撃つことを躊躇わない切嗣。
普通で明るかった少年が、父親殺しという大罪に手を
染めてしまう・・・。
何もかもが小さな人間らしい心理から、
残酷で理不尽で非道な結末へ。
ああ、良かった。
これが私の見たかったfateだわ。
崩壊する村に、悲しい人間の姿に安心したわ。
明るい南国少年なんかお呼びじゃないわ。
外道な大人しか期待してないわ。
心底、ほっとしたわ。
そんな感じで。
とにかく明るい前半は不安に震え、
暗い後半は安堵に微笑んだ、
そんな光と影に翻弄された十八話でした。
どうでもいいけど、シャーレイがケリィに
「どんな大人になりたいの?」と聞いた時、
「・・・げ、外道?」と呟いてしまったのは
私だけではないと思います。