※ネタバレするかもしれません。要注意。


◎「百鬼夜行抄 11」

百鬼夜行抄 11 (朝日コミック文庫) (ソノラマコミック文庫 い 65-15)/今 市子
¥630
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相変わらず、妖怪とレポートに苦しめられる

大学生・飯島律の不思議な日常。


この巻は、

「狐憑き」の家の養女となった少女の話、

振り返ってしまったら根元に引きずり込まれるという

噂のある桜の話、

律の祖父・蝸牛の盆の儀式の話、

など六篇が収録されていました。


いつも通り、どの話も不可思議さが漂っていて、

楽しめました。

この世と異界の境が曖昧。

そんな雰囲気が大好きです。


そしてまた、この話は、この世の日常風景が

本当に「日常」なんですよね。

どこにでもありそうな状況。

よくありそうな会話。

ありふれていそうで少し怖くなる人間関係(笑)


「見返りの桜」で、無自覚トラブルメーカー結城さんが、

強引にお見合い写真と釣り書きを置いていく流れなんか、

ちょっと背筋に寒気が走りました。

ありそうだよ~。

普通にありそうだよ~。


そして、そんな「普通」に「リアル」な日常風景の中で、

密かに式神争奪攻防戦を繰り広げる、律と開がまた・・・(笑)

職を失いそうで必死な47歳が、大人の事情で、甥の式神を

使って仕事を強引にまとめようとしたり、

式神を狙う叔父の術を、甥が庭で野球バットで打ち返したり・・・。

リアルなんだかファンタジーなんだか(笑)

そんな二人が面白い巻でもありました。


あと、尾白と尾黒が今回も可愛らしかったです。

司ちゃんのために、お酒とお菓子をとっておく二羽・・・!


「姫!お酒は残してありますぞ」

「姫 まずは半分とっておきました三国屋の上生菓子を」


か~わ~い~い~!!

こんなのがいつも側にいて、仕えてくれる律が羨ましいです。

でも、ふと出た一言で、苦労したレポートを抹殺されたりも

するみたいなんで、やっぱり羨ましくないです(笑)