読み終わったので、一応感想を。

短く、適当に。



◎「羊のうた」

羊のうた (第1巻) (バーズコミックス)/冬目 景
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※ネタバレします。要注意。


全七巻。


家の事情で父親の友人夫婦に引き取られ、

本当の子供のように育てられた高城一砂(たかしろかずな)。

ある時期から、原因不明の体調不良に

苦しめられるようになった一砂は、

同時期に幼い頃別れたままの姉と再会する。

姉・高城千砂(たかしろちずな)は再会時、

高城家だけに現れる奇病を一砂に教えた。

それは、人の血が飲みたくなる病気。

「吸血鬼よ」と自虐的に言うその病気に

千砂も苦しめられていた。

そして、一砂にも次第に同じ病気の症状が現れる。



高城家だけに現れる吸血鬼のような病気。

発症した人間は症状の進行により、

人の血を求め過ぎて理性を失くし、

人に危害を加えるのではないかと恐れを抱くようになる。

そして次第に精神をすり減らし、自殺に至る。


そんな例の多い病気に罹ってしまった千砂と一砂。

その二人の物語でした。


病気が病気なので、医療機関に相談できないばかり

ではなく、他人から離れて暮らす生活を余儀なくされる。

一砂は育ての両親に何も言わず家を出て、

千砂と暮らし始めます。


ほぼ他人と関わらず、二人で暮らす毎日。

病気の恐怖に脅え。

いつかくるかもしれない精神の崩壊に脅え。

ただひっそりと、人生を諦めたように生きる二人。


退廃的な空気と、古い日本家屋、

ミステリアスでどこか恐怖も感じさせる千砂、

全てが混ざり合って独特な雰囲気を作りだす。

いつも背後に儚い破滅が見えている。

そんな物語でした。




今ちょっと調べたところによると、

この作品、アニメ化や映画化もされてるんですね。

てか、一砂は小栗旬だったのか・・・。