その日はなんの変哲も無い金曜日で、俺はいつものように静かに客に酒を出していた。






週にバラバラに来る事もある3人の常連客が今日は3人で飲んでいるだとか、少しバイトの手つきが気に入らないだとかそんな事を考えていると平日なのに私服でやってきた実彩子はどこかものすごく傷ついているようにみえた。







「えっ?今日金曜日だよな。」







実彩子に言わせれば週の初めに俺にあって元気をもらってるとかで、毎週月曜日にやってくる。今週の月曜も実彩子はいつも通り来ていた。







「なに。私が月曜以外にきちゃ迷惑って?そりゃごめんなさい。」







でもたまに、本当に稀に何かあるとそのままココに来る事があった。







「んなカリカリすんな。でもお前が金曜にくんの何年振り。」





「知らないよ。とりあえず私座りたい。あといつもの。」





もお先に何か一個アルコールが入ってるのを承知で少し雑に話を振った。




「ん。でなにがあったの。」




「なんかあった?って聞かないんだね。秀太さすがぁー。」





「はぁ……。はい。いつもの。」




「ごめんて、。怒んないでよ。」




実は弱気だから、落ち込んでる時は泣きたいのに閉じ込める奴だから。泣かせてやりたくて




「怒ってないよ。ただお願いだからあんま無理せんで。兄貴たちも心配しとる。」




「うわぁ傷口に塩塗らんで。」




「なまるな。下手くそ。」




ひどーい。そういいながら潤んだ目で話し出した実彩子を今日は抱きしめてやりたかった。





人目なんか気にしないでさっさと抱き締めればよかった









もっとはやく。







例えばそう、お前が知らない男に口説かれるより早く





俺の隣で新しい恋をみつける前に。







恋をするキミの隣で<完>