"悪い、西島に直接聞いてやってくれ。"
やっと繋がった電話はそんな一方的なことを言われて切られた。
でも、西島に聞けってことはそう言うことでしょう?
ほんとに北海道に行っちゃうってことでしょう?
そんなの尚更、本人からなんて聞きたくない…。
西島くん: 電話できるかな。
西島くん: 週末でもいいです。電話できますか。
西島くん: お願い。
西島くん: ごめん。本当にごめん。
ごめんて…何?
プルルルル……ピッ__
『実彩子っ?』
「西島くん…ごめんて、なに?」
『……。』
「私が謝られなきゃいけないような事、したの?西島くん、悪い事したの?」
『…………。」
長い沈黙の後に西島くんは話し出して、
『実彩子、俺…来月北海道に帰ることになった。』
「……うん。」
『だから、約束守れない。俺、ずっと実彩子の隣にいられない。だからごめん。』
最後まで私の事を考えて、
「そっか……。それで?」
『うん。別れよう、実彩子。』
私に待っててを言わせなかった西島くんは、
「…っ隆弘は。」
『……っ!』
「待ってて。とか言ってくれないんだね。ごめんは北海道に行く事にした事へのごめん?それともこの先のことについて何も言ってくれないことへのごめん?」
"待ってて。"をくれない。
『それは…「私ね、こっちの大学に奨学金出すから残らないかって言われててね。迷ってたけどその話受けようと思う。」
本当は帰って、思い切って タカヒロ って読んでみようって決めて。こんな風に乱暴に言い放つつもりなんてなかった。
いつも 好きだよ。大切だよ。って嬉しい言葉をくれる西島くんだから、
いつも恥ずかしくて頷くことしかできない私だから…
『…おめでとう。夢、叶ったんだね。』
「うん。だからね、私も約束守れないや。ごめんね」
「お互い様だから、罪悪感を感じないで…。」
「バイバイ。西島くん。」
私も大好きだよって伝えたかった。
『…バイバイ。実彩子。』
ツーツーツー
私達は結局最後まで、お互い本音を言い合えなくて、
私達は2人でまっすぐお互いへ向かっていていつか重なってそこから一本の線になるんだと思ってたけど、
まっすぐ進む私達は一度重なったのを境に真逆へ進んでいった。

