「みーさーこちゃーーん!」
「ねぇなんでこの人もいんの?」
「まあそう言ってやるなよ。(爆笑 」
「そう言ってお前も爆笑してたら変わんないだろー。実彩子ちゃんもそんな汚いもの見るみたいな目で見ないのっ!」
「可愛い顔がもったいないよー。ニコ?ってしてみ?はい、にこー?」
「ウザい。」
「ウッ…」
「おー死んだ死んだ。行くか実彩子。」
「ん。」
「ちょっと!2人とも!君たち兄妹俺に冷たすぎだから!」
「あーもお。今日豚の角煮だって言ったら少しは黙れます?」
「……実彩子ちゃん‼︎」
「それは、それはつまり俺に一緒に晩御飯食べて?ってお願いしてるの?」
「あーでも今日親父いんぞー。」
「ゲッ……。」
「ねぇ!実彩子ちゃんっいま笑ったでしょ?めっちゃ、なんかめっちゃニヤってしたー!わざと?わざとなの?!」
「ぜってーわざとだろ。だってお前こないだ…笑笑) 親父の顔見た?あのザ・喪失感に苛まれました。って顔。」
「そもそもヒカが西島さんのことを私の彼氏だとか訳わかんないこと言うからでしょう。お父さんもお父さんだよ、まさか間髪入れずに殴るなんて思わないから。」
「まだちょっと赤いですよね。ほんとうちの男どもがすみません。もお痛みはないんですよね?」
「…あ、うん。もう平気だよ。」
「よかった。」
あれから程なくして実彩子も中学に上がり毎朝3人で登校するようになって、初めのうちはあの生意気な子は誰だ⁈なんて騒いでた輩も日高の妹だとわかればピタリと黙った。
やはり女は信用できない…。ただ、実彩子は初対面から変わらず日高のチャラい親友として俺を扱ってた。
いくら日高先輩の妹だからって西島先輩にあんなこというなんて…
実彩子の毒舌は8割ツンデレだと気づくのに1ヶ月。それに気づいてしまうともおそれはそれは簡単に、実彩子という穴に真っ逆さまに落ちていった。
どうしたって俺には表向き冷たいくせに日高とかいう兄貴がいるから距離は自然に近くて俺1人ドキドキする始末。
実彩子が毒を吐くのは決まってそれを数倍上回る優しさが隠れてる時。堪らないほど優しくて、可愛すぎるほどの恥ずかしがり屋で。
一匹狼のように扱われる実彩子は割と寂しがり屋で…
ただ、やっぱり実彩子は俺と違って純粋で、綺麗で、ほんとは誰にでも優しくて、学問と家事をソツなくこなす完璧な女の子で。
好きという気持ちが増す程にそれを悟られないようにおチャラける努力を惜しまなかった。

