その頃香は叶わない恋をしていたから。




連絡先を聞き出してなんとか恋愛相談される立ち位置まで漕ぎ着けて、めいいっぱい優しくした。





実彩子には本気なのはわかったけど女癖をなんとかしろと初めから言われていた。





香は素直で純粋で汚れを知らない可愛い女の子で、俺は卑屈で面倒で汚れきっている事を突きつけられた。





「ヒカ先輩が好きです。」





ここ1番に照れた告白は3Dプリントでもして永遠に隠しておきたいほど可愛かった。





香は俺のことを好きだと、大好きだと言ってくれたのに。俺は不安なんだ。




好きだと言われたらどれくらい好きなのか知りたくて、



次はいつ会えますかと聞かれると俺は離れたくないんだなんて言えなくて、




可愛すぎて、愛し過ぎて、正しい愛し方がわからなかった。






実彩子は妹だから。俺はきっと知らないうちに他人からの無条件の愛情を信じられなくなっていた。見た目さえ良ければホイホイ寄ってくる奴らを自ら相手にしていたくせに、






逆に理由がハッキリしている事への安心感を求めていた。







香と付き合うようになって1年が過ぎても不安は消えないのに好きだと思う気持ちは止まらない。






実彩子は俺の気持ちに気がついているようで、何度もいい加減にしろと怒られた。







2人でいるときは必死に余裕なフリをして、香がいなくなるとどこでも香がいないか眼で探していて。






こんな俺でも好きだと言ってくれる香を試し続けた。







だからバチが当たったんだ。



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3年の日高光啓は超美系の上秀才。

しかしとても女癖が悪く来るもの拒まず去る者は追わない。






……違う。追わないんじゃない。

本当に好きな人は追えない臆病者なだけなんだ。














俺はそのまま高校を卒業して香とは連絡を取っていない。