実彩子、兄貴が好きなの?
実彩子よりも先にその恋をみつけたのは俺だった。
父さんは兄貴にしか興味なかったけど、俺は兄貴が大好きだった。小さい頃から頭が良くて、要領が良くて、なのに誰にでも優しい兄貴は自慢だった。
でもいつもどこか俺以外の人に笑う兄貴の笑顔にはパターンが決まってるような気がしていた。まるでいつも父さんに褒められてる時の兄貴の顔みたいだと思った。あまり嬉しくなさそうな、何処か冷たい
だから
「あにっ……。」
実彩子の頭を撫でながら優しく笑う兄貴を見たときにそうゆうことなんだってわかってしまった。
実彩子の事も、兄貴の事も、誰よりも近くでみて誰よりも知ってる俺はその恋が実る事を知っていたから…
2人はずっと一緒にいるはずだったから…
「それで?大事な第二ボタンは誰にあげたのさ。」
「まさか誰にもあげないよ。」
「秀太ってそーゆうとこほんとシビアだよね。」
俺をからかったように笑う顔も、
「あげるなら実彩子かなって…。」
「…秀太。私のこと好きなの?」
「馬鹿かっちげぇーよ。やっぱ返せ!」
「やだぁー。私の!大切にするから!思い出にするから!ね?いいでしょ?」
そもそも本気にしてないその無邪気な笑顔も、
「なら最初からそう言えよ。」
気持ちは誰にも言わずにいても実彩子のその笑顔がまもれればよかったんだ。

