ごめんね…。たかちゃん
あの日俺たちはただの幼馴染に戻った。
結局俺は春嘉にとっての家族を超えられない。
幼いうちに病気で母親を亡くした春嘉にとって"家族"はかけがえのない存在だったから春嘉の中には初めから1つの選択肢しかなかったように感じてしまう。
だって可愛い我が子を抱きしめながら微笑む彼女の中に昔の不安に揺れる瞳はなかったから…

昔から何かに怯えたように空気を読んで笑う子だった。4月1日生まれなのに俺より学年が上の春嘉は1年先に真新しい制服に袖を通す。いつも寂しそうに俺を見る春嘉を見てる俺の方がきっと不安でたまらない。
弱そうな小動物のように見えて実は誰よりも芯が強くて周りに流されない性格の春嘉は、いつも俺の後ろに隠れてるように見えて俺を支えてくれていた。
だから春嘉を取られたくなくて、1年先に高校に行く春嘉に告白した。たかちゃん…って照れた顔して笑う春嘉が堪らなく愛おしくて
「俺が春嘉に家族を作ってあげるから。」
馬鹿な約束をした。
春嘉の為に強くなろうと誓った。
春嘉の為ならなんだって出来るような気がした。
春嘉と一緒に過ごす未来だけを想像してそれが現実になるんだと疑いもしなかった。
でも、
ごめんね。 そういう春嘉の瞳はもお俺には笑わない。
たかちゃん…その声で俺の名前を呼ぶことはもおないんだ。
並木道のやわらかい風はあなたの手のひらみたいに
僕の左頬を優しく撫でて 甘い匂い残して消えてゆく
さよなら 二人で言い合って
それで一体何が終わったの?
この想いと伝えたい言葉が
行き場を失くしただけでしょう
春を音にしたような声で もう一度僕を 僕の名前を
呼ばれたら何も言えないから
せめて泣かないようにしよう
強くなりたいと願う度にひどく虚しい気持ちになる
強くなれたってその姿を
見せたいのはまだあなただから
そうだね きっと時間の流れが
すべてを洗い流してしまうね
ならそれまで大切に持っておこう
想いも言葉も温もりも 涙も
忘れなければと思うほど胸の深くに刻みこまれるのは
それだけ想いが強いから そうゆう事にしておこう
会えないとゆう事より何よりも
悲しいのは君が僕に会えなくても平気ってゆう事
今でも君に会いたいけど
会えない理由が山積みなだけじゃなくて
本当に大切にしなきゃいけないものに気付き始めたから
春を音にしたような声で もう一度僕を 僕の名前を
呼ばれたら何も言えないから
せめて泣かないようにしよう
連れていくよ
君の想い出と
この春を歌にして
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