「なっちゃん?」



頭が混乱して、状況把握がまだできてない私に




「俺、実彩子の事がすきだよ。」




なっちゃんは好きを伝えてくれた。




「私も。私もなっちゃんの事がずっと好き。」




そう返した私に実彩子は秀太の事が好きなんだと思ってた。なんてやはりなっちゃんは鈍感だ。




6の冬、初めて会った時からきっと私はなっちゃんの事が好きで。気持ちを自覚した中1の夏




高校1の夏、私の初恋は実った。





なっちゃんと恋人同士になって一年経った頃やっと夏樹、そう名前で呼べるようになった。まだまだ恥ずかしかったけど名前で呼ぶとなっちゃんが嬉しそうに笑ってくれるのが堪らなく幸せだった。





高校2年生になって進路で悩む私の隣でなっちゃんは就職活動に励んでいた。おじさんはやっぱり自分と同じ会社に夏樹を入れたがった。





おじさんは会社でそれなりの地位にいてコネだと思われるのは嫌だ。とおじさんには言っていたけど夏樹には別にやりたい事があった。





それを知ってるのは私と秀太だけで、家でよく口論になるおじさんと夏樹を1番側でみている秀太のおじさんへの怒りがたまって言ってるのを感じた。





次男だから期待されていない。おじさんに褒めてもらえない悔しさも、大事なお兄ちゃんの道を阻むおじさんへの怒りと、それでもやってくる大学受験のプレッシャー。





まだ高校生の秀太はそれを外でぶつけるようになった。私にとっては変わらず優しく楽しい親友だったけど、夜帰りが遅くなったり帰ってこない日もあった。





結局夏樹はやりたい事を諦めておじさんの会社に入る事になり、秀太とおじさんの関係は悪化した。





夜街を歩くようになっていた秀太はある日バーテンダーになる夢をみつけてきた。どうやったらおじさんを説得できるのか夏樹と3人で一緒に考えた。





テーマは割と重かったけど3人で話し合ったりたまには笑って一緒に過ごした時間はすごく楽しかった。





秀太はいつか自分のバーを開くために、経営学を学びたいとおじさんを納得させ母校の経済学部を目指し始めた。





高校生、学校ではしーちゃんと時間を過ごし。休みは夏樹と出かけて、2人で秀太を応援して。受験生になっても一緒に勉強する友達と、優しくわからないところは教えてくれる夏樹と幸せだった。





高校を卒業して私が18歳になった年夏樹は社会人になった。ひっそりと心に隠していた夏樹のやりたかった事は忙しい毎日に揉まれる間に消えていった。






いつしか優しくて温厚で笑うと顔がくしゃくしゃになる私の大好きな人は、諦める事が板についた世の中を生きる大人になっていた。