これまで本ブログと実学道のブログの両方において、しつこいくらいにペルソナの議論を行ってきましたが、これはいわゆる人間の見える部分、いわゆる「見てくれ」の話でありまして、行動の主体の「表の部分」の話となります。しかしながら、人間には裏の部分がありまして、この表裏が一体となっているから、逆に人間であると結論付けるのがユング派の考え方です。
そこには、男性には女性的な面、女性には男性的な面があり、それがあるから恋愛関係が成り立つわけですが、例えば、男性なのに女性を「愛しない」というペルソナを身にまとった俳優がいたとしましょう。その俳優はそのようなペルソナであるため、普段から自分の行動には気を付けていましたが、ある時、週刊誌の記者に女性と付き合っているところをスクープされました。さて、彼はどうなるのでしょうか?
一方、人柄も温厚で、自分のことは比較的オープンに話し、恋愛に関する感情も普段から隠すことなくしている男性の俳優がいたとします。その男性は密かに思いを寄せる女性がいましたが、その女性とは、いわゆるアイドルであり、恋愛禁止という相手の境遇であるにもかかわらず、恋に落ちたところを週刊誌にスクープされました。さて、彼はどうなるのでしょうか?
以上のような二つの問題が発生したとします。彼らのたどる今後の道について皆様方はどのような回答を出しますか?深層心理学的に答えなさい。という問題があったとします。どのように答えますか?というのが今回の意図なのですが、これはペルソナと影の問題から見ると考えやすいかと思います。
現実的には事務所間での調整やスポンサーとの関係、ファンクラブからの圧力など、いろんなことを考慮しないといけないのですが、これらのことをすべて考慮しても、かかる問題を問題として最小限にとどめる道を歩む人がいまして、それがどのような道になるかを考えると、深層心理学を理解する上で役立つのではないかと思います。
今回はこれで筆をおきます。回答は次回に行います。まずは皆様方が自ら考えるということが、すなわち、「自己実現」への道となります。ペルソナの議論が一段落したところで、復習として是非ともこの問題にチャレンジしていただきたいと思います。
ご高覧、ありがとうございました。