破壊的イノベーターになるには | 芸能の世界とマネジメント

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芸能界、芸能人のために論じます。

最初はLinQの事例研究に始まり、それ以降、フランク永井先生やブルーハーツなど、いろんなことを調べているうちにある一つの命題を突き止めるに至りました。それは、「日本の芸能界で成功するには、慣習的イノベーション戦略だ」というものです。成功した人の全てを調べたわけではありませんが、思いつく人をマトリックスに配置していくと、不思議と慣習的イノベーション戦略に集中することがわかります。これが学会であるならば「世紀の大発見だ!!」となってもおかしくないくらいの大発見だと思うのですが、なんでしょうね、実際のビジネスのために調べておりますので、この結果がものすごく空虚に思えてなりません。むしろ、知らない方がよかったかな?と思ったり、もしこれが学会での話でしたら確実に「田中モデル」になっているものですけど、ビジネスの世界で今回の結果が「田中モデル」となるのであれば、日本の芸能界はこれほどつまらないことはありません。

このような芸能界に一石を投じようと私は国から指令を受けているのですが、そこで私たちは、まあ、いろいろと考えまして「新設計イノベーション戦略」という、日本の在来型の芸能界とは真逆の戦略で市場に出ているのですけど、せっかく現役のアイドルに助言をするように命じられておりますので、LinQには踊りと歌で芸能界に攻撃を仕掛けるのもいいですが、以前に「知的ダンス女子」でいくと決めたわけですから、ここはひとつ「戦略」という部分で他のアイドル達に大きく差をつけていただきたいものです。

そこで前回から言っているのは、破壊的イノベーション戦略ならまだ手を打つことができるのではないか?ということです。技術はそのままですから、あとはビジネスモデルを変えるだけです。しかしここが難しい。ところが、少し考えてみてください。「破壊」です。破壊というのは、言うまでもなく、対象物があるわけです。その対象物を破壊するということです。その破壊の方法には2つありますというのがクリステンセンの主張です。

1:ローエンド市場を狙う。

2:新市場を作る

以上の二つなのですが、これは二つとも元々先陣を切って頑張っている企業の市場を上記の二つの方法の内どちらかで市場を破壊し、破壊した市場を自分たちでもう一度再生し、大儲けするという戦略の方法です。ゲイリーのマトリクスには説明はなされておりませんでしたが、詳細に破壊的イノベーション戦略を見ていくと、Y軸上の「新しいビジネスモデル」の部分は実は二つに分割されており、破壊的イノベーション戦略における新しいビジネスモデルとは上記の二つのうちどちらかを選ぶということになります。ここまではクリステンセンの議論ですが、現実的には上記二つを同時に実現させた事例があります。それがパールジャムのファンクラブである10クラブです。具体的にはブートレグでこれを実現したのですが、私がパールジャムを支援する本当の理由は音楽がいいというのもありますが、クリステンセンの頭の中を超えたビジネスモデルを実現し、さらにそれが大成功しているということにあります。

ということで、「戦略と組織」はもう少し後に回すとして、先に思考の核のみを固めていこうと思います。すみません。なんというか、当初は学会レベルで話を進めており、「田中モデル」の命題が打ち出せたところでそのまま数値的な研究に移し、立証にもっていこうと考えていたのですが、学会での成功を狙うのは、今現在の私にとってそれこそ慣習的イノベーション戦略の道を自ら選択することになり、芸能面での戦略と整合性が取れず空虚に思えましたので、あくまでもビジネスとしてLinQに成功していただくためのものにするため、少し方向性を変えることにしました。

そこで「田中ビジネスモデル」の成功事例をLinQにて作るべく尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。